ナレーション |
コズミック・イラ70……。『血のバレンタイ』の悲劇によって、地球、プラント 間の緊張は、一気に本格的武力衝突へと発展した…… 誰もが疑わなかった、数で勝る地球軍の勝利……。 が、地球側の核攻撃に対して、ザフトは、全ての核分裂を抑止する、ニュートロンジャマーを散布して報復する。その結果、地球は、深刻なエネルギー危機に見舞われた。 当初の予測は大きく裏切られ、 戦局は降着したまま、既に11ヶ月が過ぎようとしていた…… |
OP(moment) |
ナレーション | ジェネラル、ユニラテラル、ニューロリンクディスパーシブル、オートノミックマニューバー、シンスセスシステム。ザフトに対抗して、地球連合軍が造り上げたモビルスーツ、コードネームはG兵器。GはジェネシスのG、そして、ジェノサイドのG。しかし、ストライクと名付けられたモビルスーツを操る少年は、システムの頭文字を繋いでこう呼んだ。ガンダムと。 |
アスラン | ほんとに戦争になるなんてことはないよ。プラントと地球で。避難なんて意味ないと思うけど。キラもその内プラントに来るんだろ? |
ナレーション | その甘い期待は打ち砕かれ、地球とプラントは、全面戦争に突入する。二人は後になって、この時の何気ない別れが、引き返すことの出来ない別離だったことを思い知る。キラ・ヤマトとアスラン・ザラ。それはまた、どれほど望んでも帰ることの出来ない少年時代との、別れでもあった。熾烈さを増す戦いは、否応なしに若者達を戦火に巻き込んでいく。 |
ナタル | あのぐらいの歳でもう前線に出る者もいるというのに。 |
ナレーション | 地球連合軍は、中立国オーブのスペースコロニー、ヘリオポリスで極秘裏にモビルスーツを開発していた。その奪取を企てるザフトは、ヘリオポリスを強襲した。少年兵ばかりで構成された強襲部隊。その中に、アスラン・ザラの姿があった。しかし、待ち受ける再会の定めを、彼は知る由もない。 |
イザーク | あれだ。クルーゼ隊長の言ったとおりだな。 |
ディアッカ | 突けば慌てて巣穴から出てくるって?やっぱり間抜けなもんだ、ナチュラルなんて。 |
ザフト軍兵士 | お宝を見つけたようだぜ。セクターS。第37工場区! |
ミゲル | 了解。流石イザークだな。早かったじゃないか。 |
ナレーション | それはまた、今日と同じ日々が、明日もまた続くと信じていたキラ・ヤマトと、その友人にとっても同じことだった。 |
マリュー | ハマダ!うわぁ! |
キラ | あ! |
アスラン | えーい。 |
キラ&マリュー | うっう。 |
キラ | はぁはぁ。 アスラン!? |
アスラン | !?キラ? |
ナレーション | 炎の中で、かつての親友は、再会してしまった。 |
マリュー | くっ! |
キラ | あー。 |
ナレーション | 運命の悪戯は、キラをモビルスーツのコックピットに押しやった。キラに、選択の余地はなかった。 |
トール&サイ&カズイ&ミリアリア | あ!うわぁぁ! |
ナレーション | 友達を守るため、キラは、モビルスーツを操縦する。 |
ミゲル | お前は早く離脱しろ!いつまでもウロウロするな! |
キラ&マリュー | あっ!うわぁぁ! うわぁぁ! |
キラ | …あっ! |
ミゲル | 生意気なんだよ!ナチュラルがモビルスーツなど! |
キラ | … |
カトーゼミの面々 | あ。 |
キラ | ああっ! |
ミゲル | うわぁぁ! |
ナレーション | 互いに殺し合わなければならない、相手としての再会。キラは、ガンダムを操り戦った。しかし、それはアスランの戦友の命を奪うことになる。 |
キラ | 僕は地球軍じゃない! |
アスラン | …!? |
キラ | …けどあの船には仲間が…友達が乗ってるんだ! 君こそ!なんでザフトになんか!?なんで戦争したりするんだ! |
アスラン | …! |
キラ | 戦争なんか嫌だって、君だって言ってたじゃないか! |
ミゲル | くっそー! チィ!素早い!回り込め!アスラーン! |
キラ | あっ!あのモビルスーツ! |
アスラン | キラ…君なのか? |
ミゲル | もらったぁ!! |
キラ | あっ… |
ミゲル | 何ぃっ! |
キラ | うわあ゛ぁぁぁ!! |
ミゲル | うわあ゛あ゛ぁぁぁ!!! |
アスラン | ミゲルーー!! |
ナレーション | この瞬間、キラは、本来同胞であるはずのコーディネイターを敵に回すことになった。それは同時に、アスランにも過酷な決断を強いることになる。 |
アスラン | キラ!キラ・ヤマト! |
キラ | … |
アスラン | やはりキラ…キラなのか? |
キラ | アスラン!アスラン・ザラ! |
アスラン | あいつだってコーディネイターなんだ!こちらの言うことが分からないはずはありません! |
クルーゼ | 君の気持ちは分かる。だが、聞き入れないときは? |
アスラン | !……その時は…私が討ちます… |
ナレーション | かつての幼なじみも、戦場では憎むべき敵でしかあり得ない。 |
アイキャッチ |
ナレーション | 婚約者との語らいも、アスランの苛立ちを和らげはしない。 |
アスラン | あいつは利用されてるだけなんだ!友達とかなんとか…失礼しました。では私はこれで。 |
ラクス | 辛そうなお顔ばかりですのね、この頃の貴方は。 |
アスラン | ニコニコ笑って戦争は出来ませんよ。 |
ナレーション | 偶然か、それとも運命の導きなのか、キラは、ラクスと出会う。 |
キラ | あ! |
ハロ | ハロハロ! |
ラクス | ありがとう。 |
キラ | あ…いえ…。 |
ラクス | …あら?あらあら?まぁ!これはザフトの船ではありませんのね? |
キラ | 僕は!…僕も…コーディネイターですから… |
ラクス | … そうですか。でも貴方が優しいのは、貴方だからでしょう? |
キラ | …え? |
ラクス | お名前を教えていただけます? |
キラ | …キ、キラです…キラ・ヤマト… |
ラクス | …そう。ありがとう。キラ様。 |
キラ | 彼も貴方もいい人ですもの。それは悲しいことですわね… |
キラ | …?アスランを…知ってるんですか? |
ラクス | アスラン・ザラは、私がいずれ結婚する方ですわ。 |
キラ | …! |
キラ | これ着て。その上からで… |
ラクス | …あ?あぁ! |
ナレーション | ラクスとのささやかな触れ合いは、キラの心に、束の間の安らぎを与えてくれる。 |
ハロ | ハロハロ! |
ハロ達(想像) | ハロハロハロハロハロハロハロ。 |
キラ | …そっかぁ、相変わらずなんだな、アスラン。 |
ラクス | お二人が、戦わないで済むようになれば、いいですわね。 |
ハロ | ハロ。マイド、マイド! |
キラ | しーっ、ハロ。 |
ラクス | …ん…ん…な〜に、ハロ? |
ハロ | テヤンデイ! |
ラクス | あら〜!キラ様!…どうなさいましたの? |
キラ | …黙って、一緒に来て下さい。…静かに… |
ナレーション | ラクスの優しさは、キラに、ささやかな反乱を決意させた。 |
キラ | 行きます。掴まってて下さい。 |
ハロ | オマエモナー。 |
キラ | コックピットを開け! |
ラクス | こんにちは、アスラン。お久しぶりですわ。 |
ハロ | テヤンデイ! |
アスラン | …あっ! |
ラクス | いろいろとありがとう。キラ。 アスラン、貴方も。 |
アスラン | [お辞儀] |
ラクス | キラ様はとても優しい方ですのね。そして、とても強い方。 |
アスラン | …あいつはバカです! |
ナレーション | そして、ここにもう一人。 |
カガリ | …やっぱり…地球軍の新型機動兵器…うっ…お父様の裏切り者ー! |
キラ | 何してるんだよ!そっち行ったって… |
カガリ | 何で付いてくる?そっちこそ早く逃げろ! |
キラ&カガリ | うわぁ。 |
キラ | あー… |
キラ | …女…の子? |
カガリ | なんだと思ってたんだ!今まで。 |
ナレーション | 男だとばかり思っていたこの少女との出会いが、キラの運命を大きく動かしていく。地上での再会は、またも硝煙たなびく戦火の中。 |
カガリ | あ!…お前…お前が何故あんなものに乗っている!? |
キラ | う゛ぅっ… |
カガリ | っう゛…う゛う゛っ…ぇぇ…くっ… |
キラ | ぁっ!? 君…あの時…モルゲンレーテに居た… |
カガリ | っえぃ…離せこのバカっ! |
キラ | うっ! |
キラ | 女…の子…? |
カガリ | くっ…てめぇ! |
キラ | あいやぁ…だったんだよねって言おうとしただけだよ。 |
カガリ | 同じだろうがぁそれじゃぁ! |
バルトフェルド | うっはっはっは… |
アイシャ | あっはっはっは… |
カガリ | 貴様!見ろ!みんな必死で戦った…戦ってるんだ!大事な人や大事なものを守るために必死でな! |
キラ | ぇぇぃっ! |
カガリ | ぃっ! |
キラ | 気持ちだけで…一体何が守れるっていうんだ! |
マードック | う、う…ん?おい!なんだ!お嬢ちゃん! |
カガリ | 機体を遊ばせていられる状況か!こいつで出る! |
マードック | なんだって!?うわっく… |
ナレーション | 少女もまた、戦いの渦に身を投じていた。 |
カガリ | どうだ! |
バルトフェルド | いい目だねぇ。真っ直ぐで。 |
ナレーション | アスランもまた、時を隔てて同じ少女と出会うこととなる。 |
カガリ | ぇっ…ぅぅ…うわ… |
アスラン | てーい! |
カガリ | うわ、うっ! |
アスラン | うわぁ! |
カガリ | うわぁ…ぐぅ… |
カガリ | うわぁぁぁぁぁ!!!くっ…… |
アスラン | ぁ!女? |
カガリ | ハァ…ハァ…ハァ…ハァ… |
アスラン | あぁ…… |
カガリ | いい加減にしろよお前ら! |
ナレーション | カガリとの出会いは、アスランの運命にも、波紋を投げかける。 |
アスラン | お前!地球軍じゃないんだな? |
カガリ | 違うー! カガリだ!お前は? |
アスラン | アスラン! |
カガリ | うん。 |
ナレーション | 何故戦うのか、何故憎しみ合わなければならないのか。違うもの、己と違うもの、だが、愛せようもあるはずの者。 |
挿入歌(Meteor-ミーティア-) |
アスラン | どうしてもやると言うのなら、俺はお前を殺す! |
ラクス | 何と戦わねばならなのか、戦争は難しいですわね。 |
フラガ | 君、コーディネイターだろ? |
ガルシア | だが君は、裏切り者のコーディネイターだ。 |
カズイ | じゃぁあいつ、いつOS書き換えたんだよ。 |
サイ | でもやっぱ、それも遺伝子弄ってそうなったもんなのかなぁ。 |
フレイ | コーディネイターのくせに、馴れ馴れしくしないで!! |
キラ&アスラン | くっ! |
ナレーション | 何気ない友の言葉は、キラの心に突き刺さり、暗い澱となって降り積もる。 |
ジョージ・アルスター | あうあぁ… |
フレイ | あんた、自分もコーディネイターだからって、本気で戦ってないんでしょう! |
キラ | ぁぁ!! |
キラ | 止めろぉ!! |
ニコル | うわぁぁ! |
イザーク | もらったぁぁ!! 痛い…痛い…痛い… |
マリュー | 閣下…! |
イザーク | くっそー! |
キラ | やめろぉぉ!!それにはっ!! |
イザーク | 逃げ出した腰抜け兵がぁぁ!! |
キラ | くぅ… |
キラ | このぉぉ!! |
メイラム | うわ…うわぁ! |
キラ | ぇぇぃ! |
フレイ | あの子が守るわ、私を守るから… |
バルトフェルド | なに? |
キラ | くぅ… |
バクゥパイロット | うわぁぁ! |
キラ | くぅ… |
バルトフェルド&キラ | うぅ… |
ナタル | てぇ! |
レセップスクルー達 | うわぁぁ! |
キラ | バルトフェルドさん! |
バルトフェルド | まだだぞ!少年! 言ったはずだぞ!戦争には明確な終わりのルールなどないと! |
アイシャ | ああっ! |
バルトフェルド | 戦うしかなかろう。互いに敵である限り!どちらかが滅びるまでな! |
アイシャ | アンディ! |
バルトフェルド | うぅ… |
キラ | …僕…僕は…殺したくなんかないのにぃぃ!!! |
ラクス | 私、あの方好きですわ。 |
アスラン | ぇ! |
フレイ | キラは…戦って…戦って…戦って死ぬの。でなきゃ許さない… |
ナレーション | 少年と少女達の想いは縺れ合い、戦局を動かしていく。答えを見出すことが出来ないまま。若者達の戦いは、続いて行く。 |
ED(あんなに一緒だったのに) |
-+-次回予告-+- より強き者が勝つ、それは、古より誰もが知るの戦いの構図。 より多くの力を、より強き腕を、欲し続けるのはそれ故の業か。平和な明日を望む心か。 だが、その力の向く先を忘れた時、人は。 次回、機動戦士ガンダムSEED、「果てなき輪舞(ロンド)」 繰り返されるその意味を知れ!ガンダム! |