マリュー | 回避! |
AAブリッジ一同 | うわぁ! |
ナタル | バリアント、ウォンバット、てぇ! |
イザーク | 何をやっているディアッカ!さっさと船の足を止めろ! |
ディアッカ | 分かっている! |
キラ | あいつ! |
フラガ | とぉぉりゃぁぁ!! |
イザーク | くっ! |
アスラン | イザーク!一人で出過ぎるな! |
イザーク | 五月蠅い! |
アスラン | エンジンを狙うんだ。ニコル!左から回り込め! |
ニコル | はい! |
アスラン | (こいつさえ沈めれば!) |
キラ | あ! |
アスラン&キラ | うっ! |
AA整備員達 | ぬわぁ! |
カガリ | う…う…うう!…あぁ… |
OP(moment) |
マリュー | はっうっ! |
チャンドラ二世 | イーゲルシュテルン、4番5番、被弾! |
トノムラ | 損害率25%を超えました。 |
チャンドラ二世 | イージス、ブリッツ、接近! |
ナタル | ウォンバット照準!グゥルを狙うんだ。ストライクにもそう伝えろ! |
ミリアリア | えぇ?グゥル…ですか? |
トノムラ | モビルスーツが乗って飛んでいるあれだよ! |
ミリアリア | あ!ぁはい! |
ナタル | てぇ! |
トール | うっうぅ…くっそー!こんなところまで追いかけてくるなんて、あいつら! |
カズイ | ううー… |
キラ | ぁ! |
イザーク | 下がれアスラン!こいつは俺が! |
アスラン | イザーク!迂闊に! |
キラ | ぅぅ……ぅ… |
イザーク | チィ! |
キラ | 取り付く気か!? |
イザーク | なにぃ! |
ニコル | イザーク! |
キラ | ぇぃ! |
イザーク | くっそぉぉー! |
ニコル | う、うわぁぁ! |
アスラン | ニコル! |
キラ | ハァ…ハァ…ハァ… |
アスラン | (こ、これほど腕を上げてるなんて…キラ…) |
オーブのニュースリポーター | 御覧いただいている映像は、今、まさにこの瞬間、我が国の領海から、わずか20kmの地点で行われている戦闘の模様です。政府は、不測の事態に備え、既に軍の出動を命じ、緊急首長会議を招集しました。また、カーペンタリアのザフト軍本部、及びパナマの地球軍本部へ強く抗議し、早急な事態の収拾、両軍の近海からの退去を求めています。 |
ホムラ | ウズミ様。 |
ウズミ | 許可なく、領海に近づく武装艦に対する我が軍の措置に、例外はありますまい。ホムラ代表。 |
ホムラ | はぁ…しかし… |
ウズミ | テレビ中継はあまりありがたくないと思いますがな。 |
ホムラ | そうですな。 |
カガリ | うっ!くっそー! |
キサカ | カガリ!待て!どうするつもりだ! |
カガリ | 離せ!これでは沈む!オーブのすぐ傍だと言うのに! うっ…こんな…私はこんな…くっそー! |
アスラン | あ? |
チャンドラ二世 | 領海線上に、オーブ艦隊! |
ナタル | なに!? |
カズイ | あっ!助けに来てくれたの? |
マリュー | 領海に寄り過ぎてるわ!取り舵15! |
カズイ&トール | え!? |
ノイマン | しかし! |
マリュー | これ以上寄ったら、討たれるわよ。 |
カズイ | そんな… |
マリュー | オーブは友軍ではないのよ?平時ならまだしも、この状況では… |
カガリ | 構うことはない! |
マリュー | ぇ? |
カガリ | このまま領海へ突っ込め!オーブには私が話す!早く! |
マリュー | カガリさん… |
チャンドラ二世 | 展開中のオーブ艦隊より、入電! |
ティリング | 接近中の地球軍艦艇、及び、ザフト軍に通告する。貴官等はオーブ連合首長国の領域に接近中である。速やかに進路を変更されたい。我が国は武装した船舶、及び、航空機、モビルスーツ等の、事前協議なき領域への侵入を一切認めない。速やかに転進せよ! |
イザーク | 何寝言を言っている! |
ニコル | うぅ… |
ティリング | 繰り返す。速やかに進路を変更せよ! |
アスラン | くっ… |
ティリング | この警告は最後通達である。本艦隊は転進が認められない場合、貴官等に対して発砲する権限を有している。 |
カガリ | くっ! |
カズイ | 攻撃って…俺達も?そんなぁ… |
チャンドラ二世 | 何が中立だよ。アークエンジェルはオーブ製だぜ? |
カガリ | 構わん!このまま領海へ向かえ! |
マリュー&キサカ | ぁ… |
マリュー | ぁぁ… |
カガリ | ぇぃ… |
カズイ | え? |
カガリ | この状況を見ていて!よくそんなことが言えるな! |
アスラン | … |
カガリ | アークエンジェルは今からオーブの領海に入る!だが攻撃はするな! |
ティリング | な!?なんだお前は! |
カガリ | お前こそなんだ!お前では判断できんと言うなら行政府 へ繋げ!父を…ウズミ・ナラ・アスハを呼べ! |
ティリング | ぁ? |
カガリ | 私は…私はカガリ・ユラ・アスハだ! |
フラガ&キラ | あ! |
アスラン | (カガリ?) |
AAブリッジ一同 | ぁぁ… |
サイ | アスハって… |
ミリアリア | 代表首長の? |
ティリング | …何をバカなことを、姫様がそんな船に乗って居られるはずがなかろう! |
カガリ | なんだと! |
ティリング | 仮に真実であったとしても、何の確証も無しにそんな言葉に従えるものではないわ! |
カガリ | 貴様ぁ!うっ! |
マリュー | うっ!くっ! |
ディアッカ | ご心配なく、ってね!領海になんて入れないさ! その前に決める! |
フラガ | 毎度毎度ぉ! |
アスラン | ディアッカ!オーブ艦に当たる!回り込むんだ! |
ディアッカ | そんなこと! くそっ! |
フラガ | これで! |
AAブリッジ一同 | うわぁ! |
カガリ | あっ…うっ! |
キラ | ああ! |
ティリング | あ! |
チャンドラ二世 | 1番2番エンジン被弾!48から55ブロックまで隔壁閉鎖! |
ノイマン | 推力が落ちます!高度、維持できません! |
キラ | アスラン… |
キサカ | これでは、領海に落ちても仕方あるまい。 |
マリュー | ぇ? |
ナタル | ぁ! |
キサカ | 心配は要らん。第二護衛艦軍の砲手は優秀だ。上手くやるさ。 |
マリュー | …分かりました。 |
ティリング | 警告に従わない貴官等に対し、我が国は是より自衛権を行使するものとする。 |
アスラン | くっ… |
アイキャッチ |
ウズミ | さて、とんだ茶番だが、致し方ありますまい。公式発表の文章は… |
秘書 | 既に草稿の第二案が。 |
ウズミ | いいでしょう。そちらはお任せする。あの船と、モルゲンレーテには私が。 |
ホムラ | は! |
首長 | どうにもやっかいなものだ、あの船は。 |
ウズミ | 今更言っても、仕方ありますまい。 |
オーブ軍オペレータ | 指示に従い、船をドックに入れよ。 |
キサカ | オノゴロは、軍とモルゲンレーテの島だ。衛生からでも、ここを伺うことは出来ない。 |
マリュー | そろそろ貴方も、正体を明かしていただけるのかしら? |
キサカ | オーブ陸軍、第21特殊空挺部隊、レドニル・キサカ一佐だ。これでも、護衛でね。 |
ミリアリア | あっちゃ〜、じゃぁやっぱり本物… |
マリュー | 我々はこの措置を、どう受け取ったらよろしいのでしょうか? |
キサカ | それは、これから会われる人物に、直接聞かれる方がよろしかろう。オーブの獅子、ウズミ・ナラ・アスハ様にな。 |
イザーク | こんな発表!素直に信じろって言うのか! |
ディアッカ | 足つきは既にオーブから離脱しました。なんて本気で言ってんの?それで済むって、俺達バカにされてんのかねぇ。やっぱ隊長が若いからかな。 |
ニコル | ディアッカ… |
アスラン | そんなことはどうでもいい。だが、これがオーブの正式回答だと言う以上、ここで俺達がいくら嘘だと騒いだところで、どうにもならないと言うことは確かだろう。 |
イザーク | なにを! |
アスラン | 押し切って通れば、本国も巻き込む外交問題だ。 |
イザーク | ……。ふ〜ん、流石に冷静な判断だな、アスラン。いや、ザラ隊長。 |
ディアッカ | だから?はいそうですかって帰るわけぇ。 |
アスラン | カーペンタリアから圧力を掛けてもらうが、すぐに解決しないようなら、潜入する。 |
ディアッカ&ニコル | ! |
アスラン | それでいいか? |
イザーク | ふん。 |
ニコル | 足つきの動向を探るんですね? |
アスラン | どうあれ、相手は仮にも一国家なんだ。確証もないまま、俺達の独断で不用意なことは出来ない。 |
ディアッカ | 突破して行きゃ足つきが居るさ!それでいいじゃない! |
アスラン | ヘリオポリスとは違うぞ!軍の規模もな。オーブの軍事技術の高さは言うまでもないだろ。表向きは中立だが、裏はどうなっているのか計り知れない、厄介な国なんだ。 |
イザーク | ふん!オーケー従おう。俺なら突っ込んでますけどねぇ。流石、ザラ委員長閣下の御子息だ。ま、潜入ってのも面白そうだし、案外奴の、あのストライクのパイロットの顔を拝めるかもしれないぜ? |
アスラン | !! |
ニコル | … |
トール | こんなふうにオーブに来るなんてなぁ。 |
カズイ | ね、さ。こういう場合どうなんの?やっぱ降りたり、って出来ないのかな? |
サイ | 降りるって…。 |
カズイ | いや、作戦行動中は除隊できないってのは知ってるよ。けどさぁ、休暇とか… |
ノイマン | 可能性ゼロ。とは言わないがね。どのみち、船を修理する時間も必要だし。 |
カズイ | ですよねぇ。 |
ノイマン | でもまぁ、ここは難しい国でねぇ。こうして入国させてくれただけでも、けっこう驚きものだからな。オーブ側次第ってところさ。それは、艦長達が戻らないと、分からんよ。 |
ミリアリア | 父さんや母さん…居るんだもんね。 |
ノイマン | 会いたいか? |
トール&ミリアリア | ぁー… |
カズイ | ぁー… |
サイ | ん… |
キラ | … |
ノイマン | 会えるといいな。 |
キラ | フレイ…外が見たいの? |
フレイ | ううん。別に。 |
キラ | はい。 |
フレイ | ありがと。 |
キラ | 上陸…出来るかもしれないって。 |
フレイ | そう…。 |
キラ | フレイも、オーブに家あるんでしょ? |
フレイ | オーブにもあるけど、でも誰も居ないもの。ママは小さい時に死んだし、パパも…。 |
キラ | ぅぅ…ぅ… |
ウズミ | 御承知の通り、我がオーブは中立だ。 |
マリュー | はい。 |
ウズミ | 公式には貴艦は我が軍に追われ、領海から離脱したということになっておる。 |
マリュー | はい。 |
フラガ | 助けて下さったのは、まさか、お嬢様が乗っていたから、ではないですよね? |
マーナ | あっ! |
カガリ | やぁ…マーナ。 |
マーナ | ぁぁ…姫様!よくぞ御無事で! |
カガリ | …… |
ウズミ | 国の命運と甘ったれたバカ娘一人の命、秤に掛けるとお思いか? |
フラガ | 失礼、致しました。 |
ウズミ | そうであったならいっそ、分かりやすくて良いがな。ヘリオポリスの件、巻き込まれ、志願兵となったというこの国の子供達。聞き及ぶ、戦場でのXナンバーの活躍。人命のみ救い、あの船とモビルスーツは、このまま沈めてしまった方が良いのではないかと、大分迷った。今でもこれで良かったものなのか分からん。 |
マリュー | 申し訳ありません。ヘリオポリスや子供達のこと、私などが申し上げる言葉ではありませんが、一個人としては、本当に申し訳なく思っております。 |
ウズミ | よい。あれはこちらにも非のあること。国の内部の問題でもあるのでな。我等が中立を保つのは、ナチュラル、コーディネイター、どちらも敵としたくないからだ。ま、力無くば、その意志を押し通すことも出来ず、だからといって力を持てば、それもまた狙われる。軍人である君等には、要らぬ話だろうがな。 |
マリュー | ウズミ様のお言葉も分かります。ですが、我々は… |
ハルバートン(回想) | ザフトは次々と新しい機体を投入してくるのだぞ?なのに、利権絡みで役にも立たんことばかりに予算を注ぎ込むバカな連中は、戦場でどれほどの兵が死んでいるかを、数字でしか知らん! |
マリュー | くっ! |
ウズミ | ともあれ、こちらも貴艦を沈めなかった最大の訳のお話せねばならん。ストライクの、これまでの戦闘データと、パイロットであるコーディネイター、キラ・ヤマトの、モルゲンレーテへの技術協力を我が国は希望している。 |
マリュー&ナタル | ぁぁ… |
ウズミ | 叶えば、こちらもかなりの便宜を、貴艦に図れることとなろう。 |
マリュー | ウズミ様!それは… |
ウズミ | … |
カガリ | ぇい!自分で歩ける! |
マーナ | 駄目で御座います! |
AAクルー達 | あぁ…… |
キラ&フレイ | ぁぁ! |
フレイ | ぁ…う! |
カガリ | ぁ…くっ! |
キラ | ふふ。 |
フレイ | ん! なによ…あんなの… |
カガリ | ハァ…。 |
ナタル | 私は反対です。この国は危険だ! |
フラガ | そう言われたって…。じゃどうする?ここで船降りて、みんなでアラスカまで泳ぐ〜? |
ナタル | そう言うことを言っているのではありません。修理に関しては代価をと。 |
フラガ | 分かりますけどねぇ。 |
マリュー | それで済むものかしら。何も言わなかったけど、ザフトからの圧力も、もう当然あるはずよ?それでも庇ってくれている理由は、分かるでしょ? |
ナタル | 艦長がそう仰るなら、私には反対する権限はありませんが、この件に関しましては、アラスカに着きました折りに、問題にさせていただきます。 |
フラガ | この件も、だろ。 |
マリュー | ふふ。 |
フラガ | またボウズには、悪いけどな。 |
マリュー | ええ。ハァ…もう…。 |
フラガ | ハァ…はは。 |
マリュー | 止めて下さい少佐。セクハラです。 |
フラガ | あ!そう? |
アスラン | クルーゼ隊、アスラン・ザラだ。 |
プラント工作員 | ようこそ、平和の国へ。 |
ED(あんなに一緒だったのに) |
-+-次回予告-+- もしもあの時、それは、幾たび繰り返し、悔いて振り返っても、既に取り戻せない瞬間。 偶然を生むのは、必然を知る定めの手か。 抗うことの出来ぬ流れの中、自ら選んだというものならば、せめて、その意味を。 次回、機動戦士ガンダムSEED、「モーメント」 その記憶、呼び起こせ!ガンダム! |