キサカ | これでは、領海に落ちても仕方あるまい。 |
キサカ | オノゴロは、軍とモルゲンレーテの島だ。衛生からでも、ここを伺うことは出来ない。 |
イザーク | ま、潜入ってのも面白そうだし、案外奴の、あのストライクのパイロットの顔を拝めるかもしれないぜ? |
アスラン | !! |
トール | こんなふうにオーブに来るなんてなぁ。 |
カズイ | やっぱ降りたり、って出来ないのかな? |
サイ | 降りるって…。 |
キラ | フレイも、オーブに家あるんでしょ? |
フレイ | オーブにもあるけど、でも誰も居ないもの。 |
ウズミ | こちらも貴艦を沈めなかった最大の訳のお話せねばならん。ストライクの、これまでの戦闘データと、パイロットであるコーディネイター、キラ・ヤマトの、モルゲンレーテへの技術協力を我が国は希望している。 |
マリュー&ナタル | ぁぁ… |
シモンズ | こっち!貴方に見て貰いたいのは。 |
キラ | ぁぁ! これを、オーブはどうするつもりなんですか? |
カガリ | これはオーブの守りだ。お前も知っているだろ?オーブは他国を侵略しない。他国の侵略を許さない。そして、他国の争いに介入しない。その意志を貫く為の力さ。 |
シモンズ | でも、カガリ様の言うことは事実よ。だから、私達はあれをもっと強くしたいの。貴方のストライクの様にね。 |
キラ | え!? |
プラント工作員 | そのIDで工場の第一エリアまでは入れる。だがその先は完全な個人情報管理システムでね、急にはどうしようもない。 |
OP(Believe) |
ニコル | 見事に平穏ですね。街中は。 |
アスラン | ああ。昨日自国の領海であれだけの騒ぎがあったって言うのに。 |
ニコル | 中立国だからですかねぇ? |
ゲームに興じる子供達 | [ガヤガヤ] |
アスラン | 平和の国、か。 |
ディアッカ | そりゃぁ軍港に堂々とあるとは思っちゃいないけどさぁ。 |
イザーク | あのクラスの船だ。そう易々と隠せるとは…。 |
ディアッカ | まさかぁ、ほんとに居ないなんてことはないよねぇ。どうする? |
アスラン | 欲しいのは確証だ。ここに居るなら居る。居ないなら居ない。軍港にモルゲンレーテ、海側の警戒は、驚くほど厳しいんだ。なんとか、中から探るしかないだろ。 |
イザーク | 確かに厄介な国の様だ。ここはっ! |
アスラン | ハァ…。 |
サイ | 家族に? |
マリュー | ええ。状況が状況だから、家にも帰してあげられないし、短い時間だけど、明日午後、軍本部での面会が許可されました。 |
ミリアリア | あーー |
トール | わーいやったー! |
サイ | やったよかった! |
ミリアリア | トール、どうしよう! |
トール | どうしようってミリィ、今から泣くなよ。 |
フレイ | …… |
カズイ | 俺家帰りたいよ! |
サイ | ?…… |
ミリアリア | だって嬉しくって…会えるのよ? |
トール | 元気かなぁ? |
マリュー | 細かい予定は明日通達… ちょっと、聞きなさい! |
ウズミ | キラ、ヤマト。名を聞いてもしやと思ったが…。まさか…この子が…。 |
カガリ | うはー、早いなお前、キーボード。 |
キラ | ぁ! |
カガリ | あ、なんだキラか。誰がストライクに乗ってるかと思った。 |
キラ | ああ。工場の中、軍服でチョロチョロしちゃぁまずいってさ。でも…君も変なお姫様だね。こんなとこにばっか居て。 |
カガリ | 悪かったなぁ。姫とか言うなよ全然そう思ってないくせに。そう言われるのほんと嫌いなんだ。 |
キラ | けど、やっと分かったよ。あの時カガリが、モルゲンレーテに居た訳。 |
カガリ | まぁな。モルゲンレーテがヘリオポリスで地球軍のモビルスーツ製造に手を貸してるって噂聞いて、父に言ってもまるで相手してくれないから、自分で確かめに行ったんだ。 |
キラ | …それであれか…。 |
カガリ(回想) | やっぱり…。 |
キラ(回想) | ぁぁ? |
カガリ(回想) | 地球軍の新型機動兵器…う…お父様の裏切り者ーーー! |
カガリ | … |
キラ | でも、知らなかったことなんだろ?お父さん…てか、アスハ代表は。 |
カガリ | 内部ではそういう者も居るってだけだ。父自身はそうは言ってない。 |
キラ | え? |
カガリ | そんなことはどうでもいいと。ただ全ての責任は自分にある。それだけだと。父を信じていたのに…。 |
キラ | カガリ… |
技師A | 電磁流体ソケット摩耗が酷いな。 |
技師B | 駆動系はどこもかしこもですよ。 |
技師A | 限界ギリギリで、機体が悲鳴上げてるようだぜ。 |
カガリ | だってさ。 |
キラ | それでも…守れなかったものが沢山ある…。 |
カガリ | …ん… |
キラ | それで、レジスタンスに入っちゃたの? 頭来て、飛び出して。 |
カガリ | 父に、お前は世界を知らないと言われた。だから見に行ったのさ。 |
キラ | だからって…。 |
カガリ | 砂漠ではみんな、必死に戦っていた。あんな砂ばかりの土地なのに…それでも守るために必死にな。 なのにオーブは……これだけの力を持ち、あんなこともしたくせに。未だにプラントにも地球軍にも、どっちにもいい顔をしようとする。ずるくないか?いいのかそれで! |
キラ | カガリは戦いたいの? |
カガリ | え……戦争を終わらせたいだけさ! |
キラ | そうだね。…でも…戦っても終わらないよ…戦争は…きっと… |
カガリ | く… |
カズイ&サイ&トール&ミリアリア | あぁー! |
両親達 | あぁ! |
カズイパパ | カズイ! |
トールママ | トール! |
カズイ&サイ&トール&ミリアリア | 母さん!父さん! |
カズイ | 母さん! |
カズイママ | カズイ! |
トールママ | トール!うっううう… |
トール | 父さん! |
ミリアリアママ | ミリィ! |
ミリアリアパパ | よく無事で… |
ミリアリア | うん… |
サイママ | サイ! |
サイパパ | よく頑張ったな。 |
サイ | 父さん、母さん! |
親子達 | [ガヤガヤ] |
ウズミ | ヤマトご夫妻、ですな? |
キラママ | ウズミ様…二度とお目に掛からないという約束でしたのに… |
ウズミ | 運命の悪戯か、子供等が出会ってしまったのです。致し方ありますまい。 |
キラママ | ぅ……ぅ… |
ウズミ | … |
アイキャッチ |
フレイ | …ハァ… |
キラ | お帰り! |
フレイ | !キラ… |
トリィ | トリィ! |
キラ | こら止めろってトリィ。 |
フレイ | どうして? |
キラ | あーごめん。もうすぐ終わるから。待っててくれる?あ、先に食堂行く? |
フレイ | …なんで行かないの? |
キラ | え? |
フレイ | キラも家族来てるんでしょ? |
キラ | … |
フレイ | なんで会いに行かないの? |
キラ | … |
親子達 | [ガヤガヤ] |
キラ夫妻 | … |
キラ | これ、思ったよりかかりそうでさ、やらないと。アークエンジェルの出航までに… |
フレイ | 嘘っ!嘘よ! |
キラ | ぁー… |
フレイ | なによ!同情してんの!?あんたが!…私に…? |
キラ | フレイ… |
フレイ | 私には誰も会いに来ないからって…だから可哀相って…そういうこと!? |
キラ | …フレイ…そんな… |
フレイ | 冗談じゃないわ!止めてよねそんなの!なんで私が!あんたなんかに同情されなきゃなんないのよ! |
キラ | フレイあ…ぁ |
フレイ | 辛いのはあんたの方でしょ!?可哀相なのはあんたのほうでしょ!? |
キラ | … |
フレイ | 可哀相なキラ…独りぼっちのキラ…戦って辛くて…守れなくて辛くて…すぐ泣いて…だから…だから!うぅ… なのに!なのになんで私が!あんたに同情されなきゃなんないのよ!うっうっうぅぅ…… |
キラ | フレイ…もう止めて…もう止めようよ…僕達…間違ったんだ… |
フレイ | なによ!なによそんなの! |
キラ | うっ… |
トリィ | トリィ! |
キラ | … |
フレイ | ハァハァハァ… |
トールママ | はぁもう時間なんて… |
トール | 仕方ないよ… |
カズイパパ | 船はいつまでここに居るんだ? |
カズイ | まだ分からないんだ。 |
ミリアリアママ | どうしてお前が行かなきゃならないの? |
ミリアリア | しょうがないわよ。志願しちゃったんだもん…。 |
サイパパ | お前が決めたことならば仕方ないが… |
サイ | 大丈夫だよ。父さん。 |
キラママ | どんな事態になろうと、絶対に私達があの子に真実を話すことはありません。 |
ウズミ | 兄弟のことも。ですな? |
キラパパ | 可哀相な気もしますが、その方がキラの為です。 |
キラママ | 全ては最初のお約束通りに…ウズミ様にこうしてお目に掛かるのも、これが本当に最後でしょう。 |
ウズミ | わかりました。しかし、知らぬというのも怖ろしい気がします。現に、子供達は知らぬまま、出会ってしまった。 |
キラパパ | 因縁めいて考えるのは止めましょう。私達が動揺すれば、子供達にも伝わります。 |
ウズミ | ですかな。しかし、どうして彼は今日? |
キラママ | 今は…会いたくないとしか… |
アサギ | あぁ…すごい! |
キラ | 新しい量子サブルーチンを構築して、シナプス融合の代謝速度を40%向上させ、一般的なナチュラルの神経接合に適合するよう、イオンポンプの分子構造を書き換えました。 |
シモンズ | よくそんなこと、こんな短時間で。すごいわね、ほんと。 |
フラガ | 俺が乗っても、あれくらい動くってこと? |
シモンズ | えー、そうですわ少佐。お試しになります? |
キラ | ハァ… |
フラガ | ん?… |
シモンズ | アサギ!上がっていいわよ! |
アサギ | はーい! |
キラ | じゃぁ僕、ストライクの方へ行きますから。 |
シモンズ | はい、ではまた後ほど。 |
フラガ | なぁ!キラ! |
キラ | なんですか? |
フラガ | 君こそ、その不機嫌面はなんですか? |
キラ | …そんな顔してません。 |
フラガ | してますって。 家族との面会も、断ったっていうじゃないか。どうして…。キラぁ… |
キラ | 今会ったって…僕、軍人ですから。 |
フラガ | … |
マードック | おーボウズ。スラスターの推力を18%上げたんで、モーメント制御のパラメーター見といてくれ! |
キラ | はい。 |
フラガ | 軍人でも、お前はお前だろうが。御両親…会いたがってるぞ…きっと。 |
キラ | こんなことばっかりやってます…僕。モビルスーツで戦って、その開発やメンテナンス手伝って、出来るから。 |
フラガ | キラ…。 |
キラ | オーブを出れば、すぐまたザフトと戦いになる。 |
フラガ | いや、それは… |
マードック | おーっと、アグニの遮蔽の方も、イブシツバレル((?))の量子スパッタリング待ちで30分ってとこだ。後でシェイクダウンするから、用意しとけよ。 |
キラ | はい。 |
フラガ | ハァ…。 |
キラ | 今会うと、言っちゃいそうで嫌なんですよ。 |
フラガ | 何を? |
キラ | なんで僕を…コーディネイターにしたの、って… |
フラガ | ぁぁ… |
トリィ | トリィ! |
キラ | こら、トリィ! トリィ! |
イザーク | 軍港より警戒が厳しいな。チェックシステムの攪乱は? |
アスラン | 何重にもなっていて、けっこう時間が掛かりそうだ。通れる人間を捕まえた方が早いかも知れない。 |
ニコル | まさに、羊の皮を被った狼ですね。 |
トリィ | トリィ! |
アスラン | ん?あぁ!! |
ニコル | ん?アスラン? |
アスラン | ぁ…ぁ… |
トリィ | トリィ? |
イザーク | ん?なんだそりゃ? |
ニコル | へぇ、ロボット鳥だ。 |
キラ | トリィー! |
アスラン | あぁ!! |
ニコル | ん?あー、あの人のかな? |
キラ | あぁもうどこ行ちゃったぁ…ん? あぁ…(アス…ラン?) |
カガリ | あ!止めて! |
アスラン | … |
キラ | … |
ニコル&ディアッカ&イザーク | … |
キラ | ぅ… |
アスラン | 君…の? |
キラ | うん…。ありが…とう…。 … |
アスラン | … |
イザーク | おーい!行くぞ! |
キラ | ぁ!昔…!友達に! |
アスラン | ! |
キラ | 大事な友達に貰った、大事な物なんだ… |
挿入歌(あんなに一緒だったのに) |
アスラン | …ん…… |
キラ | …ぁぁ…… |
アスラン | ……そう… |
カガリ | ハァハァ…キラぁー!ハァハァ… |
アスラン | !!… |
キラ | あ!! |
カガリ | ぅ…ハァハァ… |
ED(RIVER) |
-+-次回予告-+- 束の間の邂逅。向き合った過去。 欲する手に望むものは戻らず、時の船には常に、未来と言う見える航路へ舳先を進める。 再び砲火の嵐となる時、波に消えゆく声は悲しみの叫びか。 新たな悲劇を知る時、アスランとキラは。 次回、機動戦士ガンダムSEED、「さだめの楔」 その刃、切り裂く時を知れ!ガンダム! |