ラクス | アスラン・ザラは、私がいずれ結婚する方ですわ。 |
キラ | …! |
キラ | コックピットを開け! |
ラクス | こんにちは、アスラン。お久しぶりですわ。 |
アスラン | 確認した。 |
キラ | なら、彼女を連れて行け! |
アスラン | あいつは利用されてるだけなんだ!友達とかなんとか…あいつの両親は、ナチュラルだから…だから… |
ラクス | 何と戦わねばならないのか…戦争は難しいですわねぇ… |
OP(moment) |
アスラン | 認識番号285002、クルーゼ隊所属、アスラン・ザラ。ラクス嬢と、面会の約束です。 |
インターフォン | 確認しました。どうぞ。 |
ラクス | いらっしゃいませ、アスラン。 |
ハロ達 | アスラーン。アスラーン。ハロハロ! |
ラクス | うふ。 |
アスラン | すみません。少し、遅れました。 |
ラクス | あら、そうですか。 |
ハロ達 | アスラーン。アスラーン。ハロゲンキ! |
アスラン | これを。 |
ラクス | まあ!ありがとうございます。 |
アスラン | しかしなんですか、このハロ達は… |
ラクス | お客様を歓迎してるんですわ。さぁ、どうぞ。 |
ハロ達 | ハロハロ。ハロハロ。ハロハロ。 |
執事 | ごゆっくり。 |
ハロ達 | ハロハロ。ハロハロ。アスラーン。 |
アスラン | しかし… |
ハロ達 | ハロハロ。ハロハロ。ハロハロ。 |
アスラン | これではかえって、迷惑では…? |
ラクス | 貴方だから余計はしゃいでいるのでしょう。家に御出になるのは、本当に久しぶりですもの。 |
アスラン | あ……すみません…。 |
ハロ達 | ハロハロ。ハロハロ。(以後ハロ達省く) |
ラクス | オカピー。 お花を持って行って。アリスさんに渡してね。それからお茶をお願いって。 |
ハロ達 | ハロハロ。ハロハロ。 |
アスラン | ハァ… |
ラクス | うふふ。ネイビーちゃん、おいで。 |
ネイビーちゃん | ハロ、ゲンキ! |
ラクス | 今日はお髭にしましょうね。これでよし、っと。出来ました! さぁ、お髭の子が鬼ですよー。 |
アスラン | ハァ…… |
アスラン | 追悼式典には戻れず、申し訳ありませんでした。 |
ラクス | いいえ。お母様の分、私が代わりに祈らせていただきましたわ。 |
アスラン | ありがとうございます。 |
ラクス | お戻りだと聞いて、今度はお逢いできるのかしらと楽しみにしておりましたのよ。今回は少し、ゆっくり御出来になれますの? |
アスラン | さぁ…それは…。休暇の日程はあくまで予定ですので。 |
ラクス | この頃はまた、軍に入る方が増えてきてるようですわね。 私のお友達も何人も志願していかれて…。戦争がどんどん大きくなっていくような気がします。 |
アスラン | そうなのかもしれません……、実際…。 |
ラクス | そう言えば、キラ様は今頃どうされてますのでしょうね。あのあと、お会いになりました? |
アスラン | …あいつは地球でしょう…。無事だと思いますが…。 |
ラクス | 小さい頃からのお友達でいらしたのですか? |
アスラン | えぇ…そうです。4、5歳の頃から。ずっと月に居たのですが…。開戦の兆しが濃くなった頃、私は父に言われて先にプラントに上がって……あいつも後から来ると聞いていたのに…… |
ラクス | ハロのことをお話したら、貴方のこと、相変わらずなんだなって。 |
アスラン | ぇ? |
ラクス | 嬉しそうに笑っておられましたわ。自分のトリィも貴方に作ってもらったものだと。キラ様も大事にしてらっしゃるようでしたわ。 |
アスラン | あいつ…!まだ持って? |
ラクス | ぁ…ええ!何度か方に居るのを見ましたわ。 |
キラ(回想) | 失礼します。 |
トリィ(回想) | トリィ! |
ラクス(回想) | あらぁ? |
キラ(回想) | ああ…これトリィって言うんです。僕の…友達…かな? |
アスラン | そう…ですか…。 |
ラクス | 私、あの方好きですわ。 |
アスラン | …えっ! |
パトリック・ザラ | 私は何も、地球を占領しよう、まだまだ戦争をしようと申し上げている訳ではない。 しかし、状況がこのように動いている以上、こちらも相応の措置を執らねばならないのは確かです。中立を公言しているオーブ・ヘリオポリスの裏切り。先日のラクス嬢遭難の際の拉致事件… |
ロミナ・アマルフィ | 貴方、そろそろ時間ですわ。 |
ユーリ・アマルフィ | ああ、分かっている。 |
パトリック・ザラ | 彼らを信じ、対話を続けるべきと言われても、これでは信じろと言う方が無理です。 |
ユーリ・アマルフィ | 確かになぁ。 |
ニコル | ぁ…ぁぁ… |
ユーリ・アマルフィ | ザラの言っていることは正しいさ。反対するクラインの方が分からん。 |
ニコル | ん。 |
ユーリ・アマルフィ | お前の乗ってる、ブリッツだったか、構造データを見たが、見れば嫌でも危機感を覚えるよ。 |
ニコル | テレビオフ。 |
ロミナ・アマルフィ | 車が来ましたわ。 |
ユーリ・アマルフィ | オペレーション・スピットブレイク。何としても早急に可決させねば。ザラの言うとおり、我々には、いつまでもダラダラと戦争などをしている暇はないのだ。 |
ニコル | クルーゼ隊長も、そうおっしゃってましたよ。 |
ユーリ・アマルフィ | 可決されれば、お前もまた行くのだな。すまんと思う。 |
ニコル | い…いえ…。 |
ユーリ・アマルフィ | お前を誇りに思うよ。家にいる間は、ゆっくりと好きなことをしなさい。 |
ニコル | はい。 |
ロミナ・アマルフィ | 下まで、お送りしてくるわね。 |
ニコル | ハァ…。 |
クライン | そんなものを見せてまだ駄目押しをしようと言うのかね。 |
ザラ | 正確な情報を提示したいだけですよ。 |
クライン | 正確に君の選んだ情報をか?君の提出案件、オペレーション・スピットブレイクは、本日可決されるだろう。世論も傾いている。もはや止める術はない。 |
ザラ | 我々は総意で動いているのです。シーゲル。それを忘れないでいただきたい。 |
クライン | 戦火が広がればその分憎しみは増すぞ。どこまで行こうと言うのかね君達は。 |
ザラ | そうさせない為にも早期終結を目指せねばならんのです。戦争は、勝って終わらねば意味がない。 我等コーディネイターはもはや別の、新しい種です。ナチュラルと共にある必要はない。 |
クライン | 早くも道に行き詰まった我等の、どこが新しい種かね?婚姻統制を敷いてみても、第三世代の出生率は下がる一方なのだぞ? |
ザラ | これまでとて決して平坦な道のりではなかったのだ。今度もまた、必ず乗り越えられる。我等が叡知を結集すれば。 |
クライン | パトリック!命は生まれいづるものだ!作り出すものではない! |
ザラ | そんな概念、価値観こそがもはや時代遅れと知られよ!人は進む、常により良き明日を求めてな。 |
クライン | そればかりが幸福か!? |
オペレータ | ザラ委員長、お時間です。議場へお越し下さい |
ザラ | これは総意なのです、クライン議長閣下。我等はもう、今持つ力を捨て、進化の道をナチュラルへ逆戻りすることなどできんのですよ。 |
クライン | 我等は進化したのではないぞ。パトリック。 |
アイキャッチ |
ユーリ・アマルフィ | これより、最高評議会提出案件について協議を始める。各委員方には十分に論じられた上での採決を。では案件1。オペレーション・スピットブレイク実行について。 |
委員方 | [ザワザワ] |
クルーゼ | う…う…うぁ… くっそー… クルーゼです。 |
ザラ | 私だ。 |
クルーゼ | これはザラ委員長閣下。このお時間ではまだ評議会の最中では? |
ザラ | こちらの案件は通った。まだ2、3あるが。終わったら、夜にでも君と細かい話がしたい。どうかね? |
クルーゼ | 分かりました。お伺い致します。 |
ザラ | ふっふっふ。我等が本気になれば、地球など。だな。 |
クルーゼ | う…うぅ…うう… ふ…せいぜい思い上がれよ…パトリック・ザラ…。 |
ラクス | 残念ですわ。夕食をご一緒下さればよろしいに。 |
アスラン | すみません。 |
ラクス | 議会が終われば父も戻ります。貴方にもお会いしたいと申しておりましたのよ。 |
アスラン | やることもいろいろありまして…。その…あまり戻れないものですから…。 |
ラクス | そうですか…では仕方ありませんわね…。 |
アスラン | あぁ時間が取れれば、また伺いますので…。 |
ラクス | ほんとうに!?お待ちしておりますわ。 |
アスラン | あ…ぁ…… |
ラクス | ぁ? |
アスラン | では…おやすみなさい。 |
ラクス | おやすみなさい。 大変そうですわね…アスランも。 |
ハロ | ハロハロ、アカンデー。 |
追い越していく車から漏れてくるラクスの歌声 | 貴方が笑っていることを♪ |
アスラン | ん?…… (あんな思いは、もう二度とごめんだと思ったのに…) |
アスラン(回想) | キラ!キラ・ヤマト! |
キラ(回想) | アスラン…アスラン・ザラ! |
ラクス(回想) | ええ、何度か肩に居るのを見ましたわ、緑色の。 |
アスラン | (くっそー!無理なのか…。キラ!) |
カズイ | …キラは顔出さない方がいいよ…鍵開けたらドアの影に居て。 |
キラ | え? |
カズイ | また切れちゃったら嫌だろう?あのサイがさ…。 サイ!大丈夫? |
サイ | ああー。 |
カズイ | 一週間きついだろうけどさ、規則じゃしょうがないもんな。我慢して…。 |
サイ | 分かってる。大丈夫だから。 |
キラ | ぁ!…ん… |
サイーブ | この辺りは、廃坑の空洞だらけだ。こっちには俺達が仕掛けた地雷原がある。戦場にしようってんならこの辺だろう。向こうもそう考えてくるだろうし。せっかく仕掛けた地雷を使わねぇって手はねぇ。 |
フラガ | 本当にそれでいいのか?俺達はともかく、あんたらの装備じゃぁ被害はかなり出るぞ。 |
サイーブ | 虎に従い、奴の下で、奴等のために働けば、確かに俺達にも平穏な暮らしは約束されるんだろうよ。バナディーヤのようにな。 |
子供達とその母 | わははーい!危ないわよ、待ちなさい。 |
サイーブ | 女達からはそうしようって声も聞こえる。だが、支配者の手はきまぐれだ。何百年、俺達の一族がそれに泣いてきたと思う? |
フラガ | ぅ… |
サイーブ | 支配はされない、そしてしない。俺達が望むのはそれだけだ。虎に押さえられた東の鉱区を取り戻せば、それも叶うだろう。へぇ…。こっちはあんたらの力を借りようってんだ。それでいいだろう、変な気遣いは無用だ。 |
フラガ | おーけー、分かった。艦長? |
マリュー | ぁ…分かりました。では、レセップス突破作戦へのご協力、喜んでお請け致します。 |
サイーブ | ああ。 |
カガリ | おっと! |
ミリアリア | へぇー。 |
カズイ&ノイマン | あ! |
トール | 何やってんの? |
ミリアリア | あー、トール見てぇこの子凄いのぉ。 |
ノイマン | 確かにやるねぇ…えっと…カガリちゃんだっけ。実戦経験あるの?空中戦。 |
カガリ | えへへーおっ! |
ノイマン | ひゅぅ〜♪ |
カズイ&ミリアリア | おおぉ〜。 |
カガリ | 二発喰らっちゃったかな。 |
カズイ | はぁでもすごいじゃん、俺なんか戦場に入った途端落とされたもん。 |
ミリアリア | あたしも。 |
トール | なになに?もうみんなやったの? |
カガリ | お前ら、軍人のくせに情けなさ過ぎるよ。銃も撃ったことないんだってぇ?んなこっちゃ死ぬよ?戦争してんだろ?戦争。 |
ノイマン | 確かに。 |
ミリアリア | ふん!なによ、威張れるようなことじゃないわよぉ、銃撃ったことあるなんて。 |
ノイマン | 軍人なのに撃ったことないってのも、威張れることじゃぁないぞ。 |
カズイ&ミリアリア | …… |
トール | 俺やってもいい?ねぇやらせて。 |
ノイマン | ゲーム機じゃないんだぞ。 |
トール | は!分かっております!訓練と思い、真剣にやらせていただきます! |
ノイマン | そんならよーし!撃墜されたら飯抜き! |
トール | えーーー |
ノイマン | はっはっはっは。 |
カズイ | 大丈夫だって、がんばれ! |
整備員 | 駄目ですよ!本物は! |
カガリ | 分かってるよ! |
フレイ | キラ?やーねなーに、暗いままで。 |
キラ | あ…うん…。 さっきはどうしたの? |
フレイ | え? |
キラ | サイのとこ…来てたでしょ? |
フレイ | ハァ…サイ…バカよね…。 |
キラ | え? |
フレイ | 貴方に、敵うはずなんかないのに。バカなんだから…。 |
キラ | …フレイ… |
フレイ | キラ?キラどうしたの?…キラ… |
キラ | … |
フレイ | 大丈夫よキラ。貴方には私が… |
キラ | フレ…… |
キラ&フレイ | うぅ…うぅ… |
キラ | …止めろ…よ! |
フレイ | ああ!…キラ! |
キラ | …ごめん… |
フレイ | キラ!……ハァ… |
キラ | …うっ…うっ… |
アスラン | ハァ…。 |
クルーゼ | では。 |
ザラ | うむ。真のオペレーション・スピットブレイク、頼んだぞ。 |
クルーゼ | 間もなくの議長選、クラインの後任は間違いなく閣下でしょうから、準備抜かりなく。 |
ザラ | うむ。 |
アスラン(回想) | ……ならば仕方ない……次に戦うときは…俺がお前を討つ! |
キラ(回想) | ……僕もだ… |
アスラン | …うっん… |
キラ | うぅぅ…んっ! |
-+-次回予告-+- 避けては通れない。敵という名である以上、倒さなければならない。そんな、単純な構図。 定めたのは誰か。思う間もなく、灼熱の大地は戦場へと変わる。 互いに向けた銃口。その先の存在とは。 次回、機動戦士ガンダムSEED、「砂塵の果て」 そのトリガーを引け!ガンダム! |