大西洋連邦大統領 | よって先の警告通り、地球連合各国は本日午前0時を以て、武力による此の排除を行うことをプラント現政権に対し通告しました。 |
シン・アスカ | 開戦!?そんな… |
イザーク・ジュール | 結局はこうなるのかよ、やっぱり。こちらシエラアンタレス1、ジュール隊イザーク・ジュール、出るぞ! |
ラクス・クライン | キラ。 |
キラ・ヤマト | ん… |
男の子 | なにぃ?ねぇなにぃ? |
ラクス | あらあら、起こしていまいましたか。 |
秘書 | うッ…議長! |
ギルバート・デュランダル | ん? |
ザフト軍司令官 | 全軍、極軌道からの敵軍を迎撃せよ!奴等は核を持っている。一機たりともプラントを討たせるな! |
核搭載ウィンダムパイロット | そぉら行け!今度こそ蒼き正常なる世界の為に!! |
ニュートロンスタンピーダー装備のナスカ級艦長 | スタンピーダー、照射!! |
男の子 | あー! |
ラクス | ぁ? |
キラ | … |
ラクス | あれはッ!? |
キラ | あれは…核の光だ… くッ… |
ラクス | そんな… |
アスラン・ザラ | ラクス! |
ミーア・キャンベル | アスラン!あーうれしい! |
アスラン | ぁ…ぇぇ?…ぁ… |
OP(ignited-イグナイテッド-) |
ニュースキャスター女 | この核攻撃に対してプラント最高評議会は、コーディネーターの基本的生存権に対する急迫姿勢(?)の侵害と見なし… |
カガリ・ユラ・アスハ | あぁ… |
ニュースキャスター男 | 昨夜行われた地球連合軍によるプラントへの攻撃は、ザフト軍の激しい抵抗に遭い双方に甚大な被害が出た模様です。現在軌道上において、両軍睨み合いの状態が続いており、この事態を受けたオーブ政府は… |
アスラン | 核攻撃を!? |
デュランダル | ああ。 |
アスラン | そんな…まさか…! |
デュランダル | と言いたいところだがね、私も。だが事実は事実だ。 |
アスラン | ぅぅ…ん? |
プラントニュースキャスター | 繰り返しお伝えします。昨日午後、大西洋連邦をはじめとする地球連合各国は我等プラントに対し、宣戦を布告し、戦闘開始から約1時間後、ミサイルによる核攻撃を行いました。しかし防衛にあたったザフト軍はデュランダル最高評議会議長指揮の下、最終防衛ラインで此を撃破。現在地球軍は月基地へと撤退し攻撃は停止していますが、情勢は未だ緊迫した空気を孕んでいます。 |
デュランダル | 君もかけたまえ、アレックス君。ひとまずは終わったことだ。落ち着いて。 |
アスラン | …んッ… |
デュランダル | しかし…想定していなかったわけではないが、やはりショックなものだよ。こうまで強引に開戦されいきなり核まで撃たれるとはね。 |
カガリ | くっそぉぉッ! |
シン | …へあぁぁッ!くッ… |
ヴィーノ・デュプレ | ん? |
ヨウラン・ケント | … |
ルナマリア・ホーク | … |
プラント市民A | 信じられない… |
プラント市民B | 開戦? |
プラント市民C | …核攻撃かまた… |
プラント市民D | 何故そんな… |
デュランダル | この状況で開戦するということ自体、常軌を逸しているというのに。その上これでは…これはもうまともな戦争ですらない。 |
アスラン | はい…。 |
デュランダル | 連合は一旦軍を引きをしたが、これで終わりにするとは思えんし。逆に今度はこちらが大騒ぎだ。防げたとはいえ、またいきなり核を撃たれたのだからね。 |
アスラン | くぅぅ… |
プラント市民A | だが警報すら出なかったぞ! |
プラント市民B | 一体どういう事だ! |
プラント市民C | こんなことになるなんて評議会は何をしていたの!? |
プラント市民D | もし一発でも当たっていたらどうなっていたか! |
デュランダル | 問題はこれからだ。 |
プラント市民女 | これからどうなるの? |
プラント市民男 | 宣戦布告されたんだぞ!こうなったらもう戦争だ! |
プラント市民女 | そんな、無茶苦茶よ! |
アスラン | それでも、プラントは……この攻撃、宣戦布告を受けてプラントは…今後どうしていくおつもりなのでしょうか。 |
デュランダル | んー…。 |
プラント市民女 | 戦争なんて嫌よ!またあんな… |
プラント市民男A | だがしょうがないだろ!放っておけば奴等はまた撃ってくる! |
プラント市民男B | もう戦うしかないんだ! |
デュランダル | 我々がこれに報復で応じれば、世界はまた泥沼の戦場となりかねない。 解っているさ。無論私だってそんなことにはしたくない。だが、自体を隠しておけるはずもなく、知れば市民は皆怒りに燃えて叫ぶだろう。許せない、と。 |
アスラン | … |
デュランダル | それをどうしろという。今また先の大戦のように進もうとする針を、どうすれば止められるというんだね。既に再び我々は撃たれてしまったんだぞ、核を。 |
アスラン | …ん… |
プラント市民男A | 報復を! |
プラント市民女 | 守る為よ、戦うわ! |
プラント市民男B | 犠牲が出てからでは遅いんだぞ! |
プラント市民男C | もう話し合える余地などない! |
アスラン | しかし…でもそれでも、どうか議長!怒りと憎しみだけでただ討ち合ってしまったら駄目なんです!これで討ち合ってしまったら世界はまたあんな何も得るもののない戦うばかりのものになってしまう…。どうか…それだけは! |
デュランダル | アレックス君…。 |
アスラン | 俺は…俺はアスラン・ザラです! |
デュランダル | ん? |
アスラン | 二年前、どうしようもないまでに戦争を拡大させ、愚かとしか言いようのない憎悪を世界中に撒き散らした、あのパトリックの息子です! 父の言葉が正しいと信じ、戦場を駈け、敵の命を奪い、友と殺し合い、間違いと気付いても何一つ止められず、全てを失って…なのに父の言葉がまたこんなッ! |
デュランダル | アスラン… |
アスラン | もう絶対に繰り返してはいけないんだ!あんな…! |
デュランダル | アスラン! |
アスラン | ぅ! |
デュランダル | ユニウス7の犯人達のことは聞いている。シンの方からね。 |
アスラン | ぅ… |
デュランダル | 君もまた、辛い目に遭ってしまったな。 |
アスラン | いえ違います。俺はむしろ知って良かった。でなければ俺はまた、何も知らないまま… |
デュランダル | いや、そうじゃない、アスラン。君が彼等のことを気に病む必要はない。君が父親であるザラ議長のことをどうしても否定的に考えてしまうのは、仕方のないことなのかもしれないが。だが、ザラ議長とてはじめからああいう方だったわけではないだろう? |
アスラン | いえそれは… |
デュランダル | 彼は確かに少しやり方を間違えてしまったかもしれないが、だがそれもみな、元はといえばプラントを、我々を守り、より良い世界を創ろうとしてのことだろ。想いがあっても結果として間違ってしまう人は沢山居る。またその発せられた言葉がそれを聞く人にそのまま届くともかぎらない。受け取る側もまた自分なりに勝手に受け取るものだからね。 |
アスラン | 議長! |
デュランダル | ユニウス7の犯人達は行き場のない自分達の想いを正当化するためにザラ議長の言葉を利用しただけだ。 |
アスラン | …! |
デュランダル | 自分達は間違っていない。何故ならザラ議長もそう言っていただろ、とね。 |
アスラン | ぁぁ… |
デュランダル | だから君までそんなものに振り回されてしまってはいけない。彼等は彼等。ザラ議長はザラ議長。そして君は君だ。例え誰の息子であったとしても、そんなことを負い目に思ってはいけない。君自身にそんなものは何もないんだ。 |
アスラン | 議長… |
デュランダル | 今こうして、再び起きかねない戦火を止めたいと、ここに来てくれたのが君だ。ならばそれだけでいい。一人で背負い込むのはやめなさい。 |
アスラン | ぁぁ… |
デュランダル | だが、嬉しいことだよ、アスラン。 |
アスラン | … |
デュランダル | こうして君が来てくれた、というのがね。 |
アスラン | ぁ…ぁぁ… |
ミーア | うふふ、うふふふ。 |
デュランダル | 一人一人のそういう気持ちが必ずや世界を救う。夢想家と思われるかもしれないが私はそう信じているよ。 |
アスラン | …はい。 |
プラント市民A | 我々は一方的な地球連合からの宣戦布告に抗議する! |
プラント市民B | プラントを守れ! |
プラント市民C | 戦争反対! |
プラント市民D | 評議会は何をしているか!デュランダル議長は! |
プラント市民E | 弱腰外交は舐められるだけだ!結果として戦争を呼ぶ! |
プラント市民F | 断固とした態度で我等コーディネーターの安全を! |
デュランダル | だからその為にも我々は今を踏み堪えなければな。 |
プラント市民達 | [ガヤガヤ] |
ミーア | 皆さん。 |
アスラン | ん? |
ミーア | わたくしはラクス・クラインです。 |
アスラン | ぁぁ… |
アイキャッチ(ラクス&キラ、晴れた空) |
ミーア | 皆さん、どうかお気持ちを沈めて、わたくしの話しを聞いて下さい。 |
プラント市民A | ラクス・クライン? |
プラント市民B | ラクス様だわ。 |
プラント市民C | 一体どうして… |
ミーア | この度のユニウス7のこと、またそこから派生した昨日の地球連合からの宣戦布告、攻撃。実に悲しい出来事です。再び突然に核を撃たれ、驚き憤る気持ちはわたくしも皆さんと同じです!ですがどうか皆さん!今はお気持ちを沈めて下さい。怒りに駆られ想いを叫べばそれはまた新たなる戦いを呼ぶものとなります。 |
デュランダル | … |
アスラン | あぁ!? |
ミーア | 最高評議会は最悪の事態を避けるべく、今も懸命な努力を続けています。ですからどうか皆さん、常に平和を愛し、今またより良き道を模索しようとしている皆さんの代表、最高評議会デュランダル議長をどうか信じて、今は落ち着いて下さい。 |
挿入歌(水の証) |
デュランダル | 笑ってくれて構わんよ。 |
アスラン | ぅ… |
デュランダル | 君には無論判るだろう。 |
アスラン | ぁ… |
ミーア(回想) | ぁ…あぁ…アスラン! |
デュランダル | 我ながら小賢しいことだと情けなくもなるな。だが仕方ない。彼女の力は大きいのだ。私の等より、遥かにね。 |
プラント市民A | ラクス・クラインがそう言うんなら… |
プラント市民B | ねぇ。 |
プラント市民C | そうだなぁ彼女の言うとおりだ。 |
プラント市民D | 俺、前の戦争の時ヤキンで彼女の言葉を…。 |
デュランダル | 馬鹿なことをと思うがね。だが今私には彼女の力が必要なのだよ。また、君の力も必要としているのと同じにね。 |
アスラン | 私の? |
デュランダル | 一緒に来てくれるかね。 |
アスラン | (ぁぁ…) ぁぁ…これは… |
デュランダル | ZGMF-X23Sセイバーだ。性能は異なるが例のカオス、ガイア、アビスとほぼ同時期に開発された機体だよ。この機体を君に託したい、と言ったら君はどうするね? |
アスラン | …どういうことですか?また私にザフトに戻れと。 |
デュランダル | んー…。そういうことではないな。ただ言葉の通りだよ。君に託したい。 |
アスラン | … |
デュランダル | まあ手続き上の立場ではそういうことになるのかもしれないが。今度のことに対する私の想いは、先ほど私のラクス・クラインが言っていた通りだ。だが相手は様々な人間、組織。そんなものの思惑が複雑に絡み合う中では、願う通りに事を運ぶのも容易ではない。だから想いを同じくする人には共に立ってもらいたいのだ。出来ることなら戦争は避けたい。だがだからといって銃も取らずに一方的に滅ぼされるわけにもいかない。 |
アスラン | … |
デュランダル | そんな時のために君にも力のある存在でいてほしいのだよ。私は。 |
アスラン | 議長… |
デュランダル | 先の戦争を体験し、父上の事で悩み苦しんだ君なら、どんな状況になっても道を誤ることはないだろう。我等が誤った道を行こうとしたら君もそれを正してくれ。だが、そうするにも力が必要だろ。残念ながら。 |
アスラン | … |
デュランダル | 急な話だから、直ぐに心を決めてくれとは言わんよ。 |
アスラン | ぁ… |
デュランダル | だが君に出来ること。君が望むこと。 |
アスラン | ぁぁ…ぁ… |
デュランダル | それは君自身が一番よく知っているはずだ。 |
ミーア | あぁ! |
赤ハロ | Hey!hey!hey! |
ミーア | アスラ〜ン! |
アスラン | ぁ? |
ミーア | ぁぁうふ。 |
アスラン | うわ… |
ミーア | お帰りなさい。ずっと待ってましたのよ。 |
アスラン | ぇぇ…ぁ…君…あの… |
ミーア | ミーアよ。ミーア・キャンベル。でも、他の誰かがいる時はラクスって呼んでね。うふ。 |
アスラン | ええ…?……はぁ…うわぁ! |
ミーア | ね、御飯まだでしょ?まだよね。一緒に食べましょう。 |
アスラン | え…いや…あの… |
ミーア | アスランはラクスの婚約者でしょう? |
アスラン | あ…いやそれはもう… |
ミーア | ええと、アスランが好きなのはお肉?それともお魚?んー… あ!そうだ!今日のあたしの演説見てくれました? |
アスラン | え? |
ミーア | どうでした?ちゃんと似てましたか? |
アスラン | … |
ミーア | …駄目…でしたか…。 |
赤ハロ | ハロ…。 |
アスラン | ああいや、そんなことはないけど。 |
ミーア | ええ!ほんとに!? |
アスラン | ああ、よく似ていたよ。まぁほとんど本物と変わらないくらいに。 |
ミーア | やぁぁぁッ!嬉しいぃぃ!良かった、アスランにそう言ってもらえたらあたしほんとに! |
赤ハロ | I understand! You understand! Thanks you very mach! |
ミーア | 私ね、ほんとはずーっとラクスさんのファンだったんだです。 |
アスラン | … |
ミーア | 彼女の歌もよく好きで歌ってて、その頃から声は似てるって言われてたんだけど。そしたらある日急に議長に呼ばれて。 |
アスラン | はぁ…。それでこんなことを。 |
ミーア | はい!今君の力が必要だって。プラントの為に。だから。 |
アスラン | …君のじゃないだろ、ラクスだ、必要なのは。 |
ミーア | …そうですけど。今は… |
アスラン | あ? |
ミーア | ううん。今だけじゃないですよね。ラクスさんは、いつだって必要なんです。みんなに。強くて、綺麗で、優しくて…。ミーアは別に誰にも必要じゃないけど…。 |
アスラン | ぁぁ… |
ミーア | だから今だけでもいいんです!私は。今いらっしゃらないラクスさんの代わりに議長やみんなのためのお手伝いが出来たらそれだけで嬉しい。アスランに会えてほんとに嬉しい! |
アスラン | … |
ミーア | アスランはラクスさんのこといろいろ知ってるんでしょ?なら教えて下さい。いつもはどんなふうなのか、どんなことが好きなのか。えっとあとは苦手なものとか、得意なものとか、他にもいろいろ… |
デュランダル(回想) | 名はその存在を示すものだ。ならばもし、それが偽りだったとしたら? |
ルナマリア(回想) | へぇー、丁度貴方の話をしていたところでした、アスラン・ザラ。 |
タリア・グラディス(回想) | 確かに無理な話ね。今は他国の民間人である貴方に… |
ユウナ・ロマ・セイラン(回想) | あー、君も本当にご苦労だったねぇアレックス。よくカガリを守ってくれた。 |
ルナマリア(回想) | ほんとは私達みんな貴方のことよく知って… |
シン(回想) | 貴方もまた戻るんですか?オーブへ。何でです?そこで何をしてるんです?貴方は。 |
アスラン | くッ! |
ミーア | ぁぁ…ぁ… |
デュランダル(回想) | だが君に出来ること。君が望むこと。それは君自身が一番よく知っているはずだ。 |
ED(Reason) |
-+-次回予告-+- 出来ること。すべきこと。持つものは幸福。 過去の悲劇を知りながら、いや知るからこその今の自分か。 求める心で創るのが未来というのなら、果たしてその色は。 次回、機動戦士ガンダムSEED DESTINY、「選びし道」 嵐の海へ、向かえ!ミネルバ! |