マリュー | オーブを離脱!? |
ウズミ | あなた方にももうお解りであろう。オーブが失われるのも、もはや時間の問題だ。 |
カガリ | ぁぁ… |
整備員B | ジャンクション結合。カタパルト接続確認しました。 |
カガリ | お父様!脱出は皆で!残してなど行けません! |
アスラン | 国、軍の命令に従って敵を討つ。それでいいんだと思っていた。仕方ないと。それで、こんな戦争が一日でも早く終わるならと。 |
マリュー | 艦首上げ20。ローエングリンスタンバイ。 |
アスラン | 来るぞ!キラ! |
キラ | 発進急いで下さい! |
ウズミ | 父とは別れるが、お前は一人ではない。 |
カガリ | … |
ウズミ | 兄妹もおる。 |
ウズミ | オーブも、世界も。奴等のいいようにはさせん! |
カガリ | ぅ…お父様ぁぁぁ!!! |
OP(Realize) |
オペレータA | ハルD、距離200、ハルC、距離230、軸線よろし。 |
オペレータB | ランデブー軸線、クリアー、アプローチ、そのまま、調査機((?))偏差を修正する。ナブコムをリンク。各員退去。アプローチ、ファイナルフェイズ。ローカライズド、確認します。 |
オペレータA | 全ステーション、結合ランチ、スタンバイ。 |
キサカ | クサナギのドッキング作業、終了した。 |
マリュー | カガリさんは? |
キサカ | だいぶ落ち着きましたが…。いろいろあってな。泣くな、とは言えぬよ、今は。 |
キラ | カガリ… |
カガリ | ぁ… |
キラ | カガリ。 |
カガリ | ぅ…ぅぅ… |
キラ | あぁ… |
カガリ | う…ぅぅ… |
アスラン | ん…… |
フラガ | しかし、問題はこれからだな。 |
マリュー | ええ。 |
キサカ | クサナギは以前から、ヘリオポリスとの連絡用艦艇として使ってきたのだ。モビルスーツの運用システムも、武装も、それなりに備えてはいるが、アークエンジェルほどではない。 |
子供 | ううわ…うわぁあ…う… |
フラガ | 五つのの区画に分けて、中心部だけを行き来させてるのか。効率のいいやり方だな。 |
マリュー | アークエンジェルと似ているわ。 |
キサカ | アークエンジェルが似ているのだ。親は同じモルゲンレーテだからな。宙域図を出してもらえるか? |
エリカ・シモンズ | はい。 |
フラガ | エリカ・シモンズ主任! |
エリカ | こんにちは、少佐。慣れない宇宙空間でのM1運用ですもの。私が居なくちゃしょうがないでしょ? |
キサカ | 現在我々が居るのはここだ。知っての通り、L5にはプラント、L3にはアルテミス。 |
カガリ | …ぅ…ハァ… |
ウズミ(回想) | 父とは別れるが、お前は一人ではない。兄妹もおる。 |
キラ | カガリ、大丈夫? |
カガリ | ぁ…あー、今行く。 ぁ!… |
マリュー | L4のコロニー群へ? |
キサカ | クサナギもアークエンジェルも、当面物資に不安はないが、無限ではない。特に水は、すぐに問題なる。L4のコロニー群は、開戦の頃から破損し、次々と放棄されて今では無人だが、水庭としては使えよう。 |
マリュー | なんだか思い出しちゃうわね。 |
フラガ | 大丈夫さ。ユニウス7とは違うよ。 |
アスラン | L4にはまだ、稼働しているコロニーもいくつかある。 |
キサカ&カガリ | ん? |
フラガ&マリュー | ん? |
アスラン | だいぶ前だが、不審な一団がここを根城にしているという情報があって、ザフトは調査したことがあるんだ。住人は既に居ないが、設備の生きているコロニーもまだ数基あるはずだ。 |
キラ | じゃぁ決まりですね。 |
カガリ | うん。 |
フラガ | しかし、本当にいいのか?君は。 |
アスラン | ん? |
フラガ | 無論君だけじゃない。もう一人の彼もだが。 |
マリュー | 少佐… |
フラガ | オーブでの戦闘は俺だって見てるし、状況が状況だしな。着ている軍服に拘る気はないが… |
アスラン | … |
フラガ | だが俺達はこの先、状況次第では、ザフトと戦闘になることだってあるんだぜ。オーブの時とは違う。 |
アスラン | ぅ… |
フラガ | そこまでの、覚悟はあるのか?君はパトリック・ザラの息子なんだろ? |
カガリ | 誰の子だって関係ないじゃないか!アスランは… |
フラガ | 軍人が自軍を抜けるってのは、君が思ってるより、ずっと大変なことなんだよ。ましてやそのトップに居るのが、自分の父親じゃぁ。自軍の大儀を信じてなきゃ、戦争なんて出来ないんだ。それがひっくり返るんだぞ?そう簡単に行くか?彼はキラと違って、ザフトの正規の軍人だろ? |
カガリ | ぁ… |
アスラン | … |
フラガ | 悪いんだけどな、一緒に戦うんなら、当てにしたい。いいのか?どうなんだ? |
アスラン | オーブで、いや、プラントでも地球でも、見て聞いて、思ったことは沢山あります。それが間違ってるのか正しいのか、何が解ったのか解っていないのか、それすら、今の俺にはよく分かりません。ただ、自分が願っている世界は、あなた方と同じだと、今はそう感じています。 |
フラガ | ふ、しっかりしてるねぇ君は。キラとは大違いだ。 |
キラ | ぇ?昔からね。 |
マリュー | うふ。 |
フラガ | 俺達が、オーブから託されたものは、大きいぜ? |
マリュー | ええ。 |
フラガ | こんなたった2隻で、はっきり言って、ほとんど不可能に近い。 |
マリュー | そうね。 |
フラガ | でも、いいんだな? |
アスラン | ぅ… |
カガリ | ぁ…… |
キラ | 信じましょう。小さくても強い灯は消えないんでしょ? |
フラガ&マリュー | ふふ。 |
アスラン | プラントにも同じように考えている人は居る。 |
フラガ&マリュー | ん? |
キラ | ラクス? |
アスラン | ぁぁ。 |
フラガ | あのーピンクのお姫様? |
キラ | アスランの婚約者だ。 |
カガリ | ぇ!? |
アスラン | 彼女は今追われている。反逆者として。俺の父に…。 |
挿入歌(水の証) |
ラクス | 私達は何処へ行きたかったのでしょうか?何が欲しかったのでしょうか?戦場で今日も愛する人達が死んでいきます。私達は一体いつまで、こんな悲しみの中で過ごさなくてはならないのでしょうか。戦いを終わらせることが… |
ザラ | ラクス・クラインの言葉に惑わされてはなりません。彼女は地球軍と通じ、軍の重要機密を売り渡した反逆者なのです。戦いなど誰も望みません。だが、では何故このような事態となったのでしょうか?思い出していただきたい。自らが生み出したものでありながら、進化したその能力を妬んだナチュラル達が、我等コーディネイターへ行ってきた迫害の数々を!にもかかわらず、我等の生み出した技術は強欲に欲し、創設母体であるプラント理事国家から連綿と送りつけられてきた、身勝手で理不尽な要求の数々を。 |
シーゲル・クライン | ぬおぉぉ! |
ザラ | それに反旗を翻した我々に、答えとして放たれた、ユニウス7へのあの一発の核ミサイルを!この戦争、我々はなんとしても勝利せねばならないのです!敗北すれば、過去より尚暗い未来しかありません。 |
ラクス | 地球の人々と私達は同胞です。コーディネイターは決して進化した違うものではないのです。婚姻統制を行っても尚、生まれてこぬ子供達。既に未来を創れぬ私達の、どこが進化した種だと言うのでしょうか。 |
ザラ | 悪意に満ちた情報に惑わされてはなりません。我等はもはや、ナチュラルとは違う新たな一つの種なのです。現状を抱える様々な問題も、いずれは我々の叡知が必ず解決する。 |
ラクス | 戦いを止め、道を探しましょう。 |
ザラ | そうか、だがまだ娘の方が残っておる。こんなふざけた放送を、お前達は一体いつまで許しておくつもりかね? |
ラクス | 求めたものは何だったのでしょう。幸福とは何でしょうか。このように戦いの日々を送ることこそ、愛する人々を失っても尚、戦い続けるその未来に、間違いなく待つものなのでしょうか。 |
ザラ | 苦しくとも今を戦い、そして平和で輝かしい… |
クルーゼ | ラクス・クラインには、議長もだいぶ手を焼いておいでのようだな。よもやそれで我等に帰国命令が出たわけでもなかろうが。 |
イザーク | しかし、私には信じられません!彼女が反逆者などと…。 |
クルーゼ | そう思う者が居るからこそ、彼女を使うのだよ、クライン派は。君達までがそんなことでどうするね。様々な人間の思惑が絡み合うのが戦争だ。何と戦わねばならぬのか、見誤るなよ。 |
イザーク | … |
アイキャッチ |
ラクス | ハァ…。また移動ですのね? |
ダコスタ | はい。申し訳ありませんが…。 |
ラクス | いいえ。私は大丈夫ですわ。何か新しいお話は? |
ダコスタ | ビクトリアとオーブが、地球軍の攻撃を受け、マスダライバーが、オーブのものは破壊、ビクトリアのものは奪還されました。 |
ラクス | ビクトリアには、ザフトのかなり部隊が配置していると聞きましたが…。 |
ダコスタ | 地球軍は、新型のモビルスーツを投入したようです。 |
ラクス | そうですか。私達も急がねばなりません。 |
ダコスタ | …どうした?…なにぃ!?シーゲル様が!? |
ラクス | ぇ? |
ディンパイロット | うぅ…ぅ…おっ… |
地球軍兵 | ん? |
アズラエル | いやいや、お見事でした。流石ですな、サザーランド大佐。 |
サザーランド | いえぇ、ストライクダガーは良い出来ですよ。オーブでアズラエル様が苦戦されたのは、お伺いした、予期せぬ機体のせいでしょう。 |
アズラエル | まだまだ課題も多くてねぇ。こっちも。しかしよもや、カラミティ、フォビドゥン、レイダーで、ああまで手こずるとは思わなかった。本当にとんでもない国だね、オーブは。何考えてたんだか。 |
サザーランド | 上手く立ち回って、甘い汁だけ吸おうと思っていたんでしょう。卑怯な国です。プラントの技術も相当入っていたようですからなぁ。いや、もしかしたらその2機、実は、ザフトのものだったのかも知れない。 |
アズラエル | どちらにしろあれは何とかしなきゃねぇ。手に入れられるかな。 |
サザーランド | それでご自身で宇宙へと? |
アズラエル | あの機体もしかしたら、核エネルギー、使ってるんじゃないかと思ってさ。 |
サザーランド | なんですと!? |
アズラエル | 確証はないけど。でもあれだけのパワー、従来のものでは不可能だ。 |
サザーランド | Nジャマーも、コーディネイターの作ったものですからなぁ。確かに奴等なら、それを無効にするものの開発も可能でしょうが、それが本当なら由々しき事態ですな。 |
アズラエル | おいおい、国防産業理事の僕の目を疑うのかい? |
サザーランド | いえ…そのようなことは…。 |
アズラエル | 大体我々は弱い生き物なんだからさ。強い牙を持つ奴は、ちゃんと閉じこめておくか、繋いでおくかしないと危ないからさぁ。 |
サザーランド | 宇宙に野放しにした挙げ句、これでは、ですな。 |
アズラエル | 頑張って退治してくるよ。僕も。 |
ウズミ(回想) | 地球軍の背後には、ブルーコスモスの盟主、ムルタ・アズラエルの姿がある。 そしてプラントも今や、コーディネイターこそが、新たな種とする、パトリック・ザラの手の内だ。 |
アスラン | うぅ… |
キラ | アスラン!こっちも落ち着いたみたいだから、アークエンジェルへ戻ろう。 |
アスラン | ぇぇ? |
キラ | どっちに居ても同じだけど、こっちM1でいっぱいだし。ぁ…アスラン? |
アスラン | ぁ…ぁ |
カガリ | キラ! ちょっと…いいか? |
アスラン | ぇ?ぁぁ…じゃぁ俺… |
カガリ | ぅちょっちょっちょっ… |
アスラン | ぉ? |
カガリ | いいから…居ろって…いや…居てくれ…。 |
アスラン | … |
キラ | どうしたの?カガリ。 |
カガリ | ぅ…ぅ……これ… |
キラ | ん?写真?誰の? |
カガリ | …裏…。 |
キラ | え!?カガリ…え!? |
アスラン | ぁ!…ぅ! |
カガリ | …クサナギが発進する時…お父様から、渡されたんだ…。 |
キラ | ぇ… |
カガリ | お前は…一人じゃない…兄妹も居るって! |
キラ&アスラン | あっ! |
カガリ | ハァ…うっ… |
アスラン | ぁぁ…ん… |
キラ | ぁ… |
カガリ | …どういうことだ…? |
キラ | そんな…僕にだって…そんな…ぁぁ… |
カガリ | ぅぅ… |
アスラン | ぁ!…双子…? |
クルーゼ | 本国は久しぶりだろう、イザーク。家族に顔を見せて、安心させてあげたまえ。 |
イザーク | は!ありがとうございます。 |
フレイ | ぁぁ… |
イザーク | 早く座れよ! |
フレイ | あ!…ぁぁ…ぁ… |
イザーク | ふん! |
クルーゼ | 怖がることはない。 |
フレイ | ぇぇ? |
クルーゼ | 私の傍にいれば安全だよ。 |
フレイ | ぁぁ… |
クルーゼ | 私がちゃんと君を守る。だから安心したまえ、フレイ。 |
クルーゼ&ジョージ・アスルター(幻覚) | 大丈夫だよ、フレイ。 |
フレイ | ぁぁーー…ぁぁ… うっぅぅ… |
クルーゼ | ふっ。 |
キラ(回想) | とにかく…でも…これだけじゃぁ全然判んないよ。 |
アスラン(回想) | この赤ちゃんを抱いてる人は? |
カガリ(回想) | …お前と兄妹って…じゃぁ私は… |
キラ&アスラン(回想) | ぁ! |
アスラン(回想) | ぁぁ… |
キラ(回想) | 今は考えてもしょうがないよ、カガリ。 |
カガリ(回想) | ぅ… |
キラ(回想) | それにそうだとしても、カガリのお父さんは、ウズミさんだよ。 |
カガリ(回想) | キラ… |
アスラン | キラ。 |
キラ | え? |
アスラン | 付いててやった方がよくないか? |
キラ | いや…一緒に居ると、返って考え込んじゃいそうだし。 |
アスラン | ぁぁ…そうか…。 |
アスラン | キラ。 |
キラ | ? |
アスラン | アークエンジェルへ戻ったら、シャトルを一機、借りられるか? |
キラ | アスラン? |
アスラン | 俺は一度…プラントに戻る。 |
キラ | ぇ!? |
アスラン | 父と一度、ちゃんと話がしたい。やっぱり…。 |
キラ | アスラン…でも… |
アスラン | 分かってる!でも…俺の父なんだ。 |
キラ | 解った。マリューさん達に話すよ。 |
アスラン | すまない…。 |
月基地オペレータA | 第2輸送船団、ランディングシークエンススタンバイ。B班は第5船団を早くパッドから移動させろ。第22輸送船団は、((?))軌道で待機だ。 |
月基地オペレータB | N11作業グループは、Fパッドの作業を支援せよ。ゾラ、ドミニオンの出航が最優先だ。 |
ナタル | 第7機動艦隊、ナタル・バジルール少佐、参りました。 |
将校 | ん。君に、アークエンジェル級2番艦、ドミニオン艦長を命ずる。 |
ED(FIND THE WAY) |
-+-次回予告-+- 通るはずの言葉、繋がるはずの想い、同じ夢を持ちながら、隔たってしまう心。 知る術もない、胸の扉の奥深くを見る時、新たに生まれるものは絶望か、希望か。 全てを飲み込んで、飛び立つ船が示す未来は。 次回、機動戦士ガンダムSEED、「ラクス出撃」 平和の歌、響く明日へ、飛べ!ガンダム! |