| ノイマン | 海へ出ます。 紅海です。 |
| トール | あーぁ! |
| カズイ | あ! |
| マリュー | 少しの時間なら交代でデッキに出ることを許可します。艦内にもそう伝えて。 |
| トール | やったぁ! |
| ミリアリア | あはっうふ… |
| ナタル | マードック曹長!ソナーの準備はどうなっているか? |
| サイ | … |
| マードック | 今やってまさぁー。ボウズが最後の調整中です。もう少し待って下さい。 |
| ナタル | 急げよ。それと、自分より上の階級の者をボウズと呼ぶのはどうかと。 |
| フラガ | え? |
| ナタル | 規律の乱れる元だ。注意しろ! |
| チャンドラ二世&トノムラ | ふふ。 |
| マードック | 急げってさ。 |
| キラ | そう言われても…これ…ザフトのなんですから、そう簡単には繋がりませんよ。 |
| OP(moment) |
| AAクルー&明けの砂漠団員達 | [談笑] |
| Aクルー&明けの砂漠団員 | ああぁ!お月様だぁ!!おおーー! |
| サイーブ | 明けの砂漠に! |
| マリュー | 勝ち取った、未来に! |
| フラガ | じゃあそういうことで! |
| ナタル | ゴホッゴホッゴホッ! |
| マリュー | プハーー |
| サイーブ | はっはっはっは。 |
| フラガ | でも、まだ大変だなぁ、あんた達も。虎が居なくなったって、ザフトは居なくなったわけじゃない。奴等は鉱山が欲しいんだろ?すぐ、次が来るぜ? |
| サイーブ | その時はまた、戦う。戦い続けるさ!俺達は。俺達を虐げようとする奴等とな! |
| ヤルー | 父さん!戦士を送る祈りをするって、長老が。 |
| サイーブ | ん。 |
| 長老 | アジブ・シャムセリム、アフメド・エルフォズル、アル・ガウアリ、シュタイン・オーファ、ファムドム・ボンナ、ステファン・リンドベルガ、ロワジ・アサド… |
| フラガ | 戦い続ける、か。 |
| 長老 | ドバン・タルコフ、ハルファ・ピンラード、ムサル・パラファ… |
| カガリ | だから私を連れて行けと言っている!あんた達よりは情勢に詳しいし、補給の問題やら何やらあった時には、力になってやれるしな。 |
| マリュー | …でも… |
| カガリ | 無論、アラスカまで行こうってんじゃないし、地球軍に入るつもりもないが、今は必要だろ? |
| フラガ | 君が、かい? |
| カガリ | ぁいや…だからその…いろんな助けがだ! |
| マリュー | 助けって言われても… |
| フラガ | 女神様ね。 |
| カガリ | んー…ともかく、私はアークエンジェルと共に行くぞ!もう決めたからな! |
| フラガ | …で、あの子、ほんとは何者なの? |
| キサカ | …… |
| ミリアリア | あーーー!気持ちいいぃ! |
| トール | 地球の海ぃ!すんげー久しぶりー! |
| 甲板上のAAクルー達 | あっはっはっ。 |
| カズイ | でもやっぱ、なんか変な感じ。 |
| トール | そっか、カズイは海初めてか。 |
| カズイ | うん。 |
| トール | ヘリオポリス生まれだったもんなぁ。 |
| カズイ | 砂漠にも驚いたけどさぁ、何かこっちのが怖いなぁ。深いとこは凄く深いんだろ? |
| トール | ああ。 |
| ミリアリア | 怪獣が居るかもよぉ? |
| カズイ | ええ! |
| トール | 何言ってんだよ、ミリィ。 |
| キサカ | しかし呆れたものだな、地球軍も。アラスカまで自力で来いと言っておいて、補給も寄こさないとはな。水や食料ならどうにかなるだろうが、戦闘は極力避けるのが、賢明だろうな。 |
| マリュー | ハァ…。 |
| ナタル | だが、インド洋のど真ん中を行くと言うのは、こちらにとっても厳しいぞ。何かあった場合には、逃げ込める場所もない。 |
| キサカ | ザフトは、領土拡大戦をやっているわけではないんだ。海洋の真ん中は、一番手薄だ。あとは運だな。 |
| キラ | うぅ… |
| バルトフェルド(回想) | だぁぁ待ちたまえ!彼まで邪道に堕とす気か!? 何でこれを鯨石と言うのかねぇ。これ、鯨に見える? ならどうやって勝ち負けを決める?どこで終わりにすればいい? 敵である者を、全て滅ぼして!…かね? まだだぞ!少年! 戦うしかなかろう。互いに敵である限り!どちらかが滅びるまでな! |
| フラガ(回想) | そう。普段は大人しいのに、戦いになると興奮して、人が変わったように強くなる… |
| キラ | う…う…でも…だって…僕が戦わなきゃ…倒さなきゃ…みんな… |
| フレイ(回想) | いやぁーーー!! あんた…自分もコーディネイターだからって、本気で戦ってないんでしょう!! |
| キラ | あぁっ!う…うぅ…うぅ…くぅ… |
| カガリ | なんだ、お前もデッキに出てたのか。 |
| キラ | …ハァ… |
| カガリ | …お前、泣いてたのか…? 待てよ! |
| キラ | … |
| カガリ | …ハァ… |
| キラ | あぁ…え?あ…ちょ…ちょっ… |
| カガリ | よしよし。大丈夫だ。大丈夫だから。大丈夫だ。大丈夫。 |
| キラ | ぁぁ… |
| フレイ | …ハァ… |
| カガリ | 落ち着いたか? |
| キラ | あ…うん。 |
| カガリ | ああ…ご、誤解するな!泣いてる子は放っておいちゃいけないって…ただ!そう言うことなんだからな!これは… |
| キラ | ああ…うん。 |
| カガリ | お前さぁ、なんかいろいろおかしすぎ。 |
| キラ | え? |
| カガリ | この間は偉そうなこと言って、人のことひっぱたいといて。 |
| キラ(回想) | 気持ちだけで…一体何が守れるっていうんだ! |
| キラ | あっ…ごめん。 |
| カガリ | ふん!まぁいいけどな、もう…。大体なんでお前、コーディネイターなんだよ。 |
| キラ | え? |
| カガリ | あー…じゃないじゃない。なんで、お前コーディネイターのくせに地球軍に居るんだよ? |
| キラ | やっぱおかしいのかな。よく言われる。 |
| アスラン(回想) | お前が何故地球軍に居る?何故ナチュラルの味方をするんだ!? |
| ガルシア(回想) | だが君は、裏切り者のコーディネイターだ。 |
| バルトフェルド(回想) | 君が何故同胞と敵対する道を選んだかは知らんが… |
| カガリ | おかしいとか、そういうことじゃないけどな。けど、コーディネイターとナチュラルが敵対してるからこの戦争が起きたわけで、お前には、そういうのはないかってことさ。 |
| キラ | 君には? |
| カガリ | 私は別に、コーディネイターだからどうこうって気持ちはないさ。 |
| キラ | …僕も。 |
| カガリ | ただ、戦争で攻撃されるから、戦わなきゃならないだけで。 |
| キラ | 僕も。 |
| カガリ | ん… |
| キラ | あはは。 コーディネイターだって同じなのに。みんなと…。 |
| カガリ | だがお前達は、私達よりずっといろんなことが出来るだろ?生まれ付き。 |
| キラ | ちゃんと練習したり、勉強したり、訓練したりすればね。コーディネイターだからって、赤ん坊の頃から何でも出来るわけじゃないよ。 |
| カガリ | ああ、そりゃそうだよな。 |
| キラ | 確かに、怖い病気にはかかんないし、何かの才能とか体とか、いろいろ遺伝子を操作して生まれたのが、僕達だけど…でもそれってナチュラルの、と言うか、夢だったんじゃないの?みんなの…。だから僕達は… |
| カガリ | まぁそうだよなぁ… |
| キラ | なのに…なんで… |
| フレイ | キラぁ!こんなところに居たの? |
| キラ | …フレイ… |
| フレイ | あー暑〜い。探しちゃったわよ〜。何よ、デッキに出るなら誘ってくれればいいのにぃ。 |
| キラ | ぁぁ…あぁ…ご、ごめん…。 |
| フレイ | 気持ちいいわねぇ。でも、日に焼けちゃうな。少ししたらお部屋に戻りましょ。 |
| カガリ | じゃーな、お邪魔みたいだから。 |
| キラ | あ…。 |
| アイキャッチ |
| クルーゼ | バルトフェルド隊長戦死の報に、私も大変驚いております。地球に足つきを降ろしてしまったのは、元より私の失態。複雑な思いです。 |
| モラシム | ふん! |
| クルーゼ | オペレーション・スピットブレイクで、私も近いうちに地球へ落ります。その折りにはどうか、モラシム隊長にも、いろいろとお力をお貸しいただきたく思っております。 |
| モラシム | ふんっ!はん!クルーゼめ。こんな通信を送ってくること自体が、下手な挑発だぞ。 まぁーよかろう。乗ってやろうじゃないか。その足つきとやら、インド洋に沈めてやる。ふふ。 |
| パル | 違うよ!そうじゃないってば。パッシブソナーは基本的には… |
| チャンドラ二世 | いやーそんなことないって! |
| トノムラ | ちょっと!五月蠅いよ。 |
| チャンドラ二世 | あー!これかぁ。 |
| パル | だからそれ触るなって! |
| ミリアリア | うふふふ…。 |
| サイ | ハァ…。 |
| カズイ | レ、レーダーに反応! |
| マリュー | ぇ? |
| パル | また民間機とかじゃないのか? 早い! |
| チャンドラ二世 | これは!攪乱酷く、特定できませんが、これは民間機ではありません! |
| マリュー | 総員、第二戦闘配備!機種特定急いで! |
| パル | 総員、第二戦闘配備!繰り返す!第二戦闘配備! |
| マードック | …… |
| フラガ | ザフトは居ないんじゃなかったの? |
| モラシム | よーし!足つきを確認した!グーン隊、発進準備! |
| クストー艦長 | グーン、発進準備。 |
| クストーオペレータ | グーン、発進準備。 |
| サイ | ライブラリー照合… |
| ミリアリア | あ… |
| サイ | ザフト軍、大気圏内用モビルスーツ、ディンと思われます! |
| マリュー | ん… 総員、第一戦闘配備!フラガ少佐、ヤマト少尉は搭乗機へ! |
| ナタル | 艦長!ストライクは… |
| マリュー | 空も飛べなけりゃ泳げもしないってことくらい知ってるわ。でも、なんとかしなきゃ… |
| ナタル | く… |
| トノムラ | ディン接近!10時、4時の方向です! |
| ナタル | ミサイル発射管、7番から10番、ウォンバット装填!てぇ!イーゲルシュテルン起動! |
| モラシム | 足つき!この私が! |
| ミリアリア | スカイグラスパー1号、発進位置へ。スカイグラスパー、フラガ機。進路クリアー。発進どうぞ! |
| フラガ | よっしゃぁ!出るぞ! |
| マードック | おいおい!こいつは出られねぇぞ! |
| カガリ | ええい! |
| マードック | あんたはチョロチョロしない! |
| ナタル | バリアント、てぇ! |
| モラシム | このー!む! |
| フラガ | ぇぇぃ!カーペンタリアの奴か! |
| トノムラ | あ?ソナーに感あり。4、いや2。 |
| ナタル | なに? |
| トノムラ | このスピード…推進音…モビルスーツです! |
| ナタル | なんだと!?水中用モビルスーツ… |
| トノムラ | ソナーに突発音!今度は魚雷です! |
| マリュー | 回避! |
| ノイマン | 間に合いません! |
| マリュー | くっ!推力最大!離水! |
| ノイマン | くっ… |
| マードック | うわっうっ…何やってやがん! |
| カガリ | うわわわ… |
| フレイ | … |
| ハンス | チィ、浮上したか!ならば! |
| キラ | 駄目だ…ここからじゃあ。マードック曹長! |
| マードック | なんだぁ! |
| キラ | 第8艦隊からの補給にバズーカがありましたよね? |
| マードック | あー?あったがどうした? |
| キラ | 用意して下さい。海に降ります! |
| マードック | 降りる!?降りるたって!ストライクはな…! |
| キラ | 分かってます!でも、なんとかしなきゃ! |
| フラガ | ぇぃ!あいつら! |
| キラ | ええい! |
| ナタル | ストライクが海へ入る!バリアント、当てるなよ! |
| キラ | う…速い!うわぁ! |
| ハンス | ふん!宇宙用の機体で! |
| グーンパイロットA | 水中のグーンに勝てるものか! |
| キラ | うぅぅぅ… ぇぃ… だぁ! |
| グーンパイロットA | 何? |
| キラ | であぁ! |
| ハンス | ぬぉぉ!このぉ! |
| モラシム | ごらぁぁ! |
| フラガ | えぇい! |
| ナタル | バリアント、ウォンバット、てぇ! |
| モラシム | ええい!グーン隊は何をやっている! |
| キラ | しまった! |
| ハンス | 逃がすか! |
| キラ | ぅ…ぅ… |
| ハンス | うっ! |
| キラ | ぅ…ぅ… |
| モラシム | ハンスのグーンもやられたか。 ぐはぁ!一旦退く! |
| キラ | 分かってるけど…でも…やらなきゃ僕達も… |
| ニコル | では! |
| ユーリ・アマルフィ | うん… |
| ロミナ・アマルフィ | 今度も無事で… |
| ニコル | はい。行って参ります。 |
| アスラン | ニコル! |
| ニコル | あー、アスラン!この間は、ありがとうございました。 |
| アスラン | いやぁ、いいコンサートだったね。 |
| ニコル | 寝てませんでした? |
| アスラン | ぇ…そ、そんなことはないよ。 |
| ニコル | ほんとは、もっとちゃんとしたのをやりたいんですけどね。 |
| アスラン | 今はなぁ…。このオペレーション・スピットブレイクが終われば、情勢も変わるだろうから。 |
| ニコル | ですね。でも、今回はけっこうゆっくり出来ましたね。 |
| アスラン | ああ。 |
| ニコル | 僕、降下作戦初めてなんです。 |
| アスラン | 俺だってそうだよ。 |
| ニコル | あ、そうか。 |
| -+-次回予告-+- 言い渡された新たな戦場は、地球。 戦うことを自ら選んだ以上、迷いや疑問はあってはならない自分。 離反して、立ち止まる心が囚われるのは、ただ、過去への郷愁か。 砂の浜で出会う少女が、新たにもたらす局面は。 次回、機動戦士ガンダムSEED、「運命の出会い」 その心、研ぎ澄ませ!ガンダム! |