メイリン・ホーク | きゃあ! |
アスラン・ザラ | うっ! |
レイ・ザ・バレル | やっぱり逃げるんですか!また! |
アスラン | レイ! |
レイ | 俺は許しませんよ!ギルを裏切るなんてこと! |
メイリン | きゃあ! |
アスラン | やめろレイ!メイリンは! |
レイ | うっ! |
アスラン | ぅ… |
メイリン | ぁ… |
レイ | シン!デスティニーとレジェンドの発進準備をさせろ! |
シン・アスカ | え?何で? |
レイ | 逃走犯にモビルスーツを奪取された!追撃に出る! |
シン | ええ!? |
メイリン | で、でも、どうする? |
アスラン | アークエンジェルを探す! |
メイリン | え!?だってあの艦(ふね)は… |
アスラン | 沈んじゃいない。きっとキラも! |
レイ | 議長。 |
ギルバート・デュランダル | ああ、分かっている。頼むよ、レイ。 |
シン | レイ! |
レイ | いいか!? |
シン | ああ、けど何でまたスパイになんか… |
レイ | 油断するなよ、追うのはアスラン・ザラだ。 |
シン | ええ!? アスランって…そんな…何で! |
ジブラルタル基地アナウンス | A55警報発令中。42、666スタンバイ。 |
シン | アスランて… 何でなんだよ!レイ! |
レイ | わけなど知らない。だが保安部に追われ、それを打ち倒して逃走したのは事実だ。 |
シン | ええ!? |
レイ | 行くぞ!本当に逃げられる! |
シン | くっ! |
OP(僕たちの行方) |
オーブ兵A | なんだ?警報? |
オーブ兵B | おいどうしたんだ? |
レドニル・キサカ | … |
ザフト兵A | スパイが!? |
ザフト兵B | やはりロゴスの…集まった軍の中にか? |
ルナマリア・ホーク | 艦(ふね)に戻った方がいいのかな?ねえどうしよう? |
ヴィーノ・デュプレ | え、あ、うん。 |
ザフト将官 | グフを奪われただと!? |
ザフト将官 | 追撃は!? |
ザフト兵A | は!今エルガー隊が! |
デュランダル | それはもうシンとレイに命じた。それより今これ以上騒ぎを大きくしないようにしてくれないかね。 |
ミーア・キャンベル | ぁぁ… |
デュランダル | 妙なデマが飛ぶと参集してくれた各国の軍にも影響する。それは今非常に好ましくない。 |
ザフト将官 | ぁ、はい。 |
ザフト兵B | 隊長!ホストに侵入した端末が特定できたのですが… |
ルナマリア | あ!艦長!ぁ… |
ザフト兵B | ミネルバクルー、メイリン・ホークの部屋のものでした。 |
デュランダル | ミネルバの!?それで彼女は? |
ザフト兵B | いえ、それが… |
デュランダル | ん? |
アスラン | うっ! |
アスラン&メイリン&シン&レイ | …! |
デュランダル | レイ。 |
レイ | はい。 |
デュランダル | 君がアスランを追っているとき、メイリン・ホークの姿を見なかったか? |
レイ | メイリン・ホークはアスランと一緒です。今も。 |
シン | ええ!? |
デュランダル | アスランと?それは人質をいうことか? |
タリア・グラディス | え!? |
レイ | いえ、そうではないと思います。彼はメイリンを庇い、私の銃を撃ち落としてグフのコクピットに上がろうとした時には手を差し伸べ、彼女は躊躇せずにその手を取りました。 |
シン | ええ! |
レイ | 映像記録があると想います。 |
タリア | メイリンが!? |
デュランダル | では彼女は人質として連れ去られたのではない、と? |
レイ | はい、そうではありません。 |
アスラン | くっ! |
シン | アスラン、あいつ! |
レイ | 彼女は情報のエキスパートです。こうなった経緯は分かりませんが、このまま逃がせばどれほどの機密が漏れるか分かりません。 |
シン | メイリンも…何で! |
レイ | 脱走は絶対に阻止すべきものと考えます。撃墜の許可を。 |
シン | レイ! |
タリア | レイ!ちょっと待ちなさい! |
デュランダル | そうか分かった。君の判断を信じよう。撃墜を許可する。 |
タリア | 議長! |
レイ | ありがとうございます。 |
シン | レイ! |
レイ | 聞こえたなシン。ではそういうことだ。 |
シン | でもそんな… |
レイ | 右から追い込む。前へ回り込め! |
シン | ぅくっ…レイ! |
レイ | こんなことで、議長とそれに賛同するする人々の想いが無駄になったらどうする! |
シン | は! |
レイ | 今ここでの裏切りなど許せるはずもない。覚悟を決めろシン!俺達で防ぐんだ! |
シン | くっ! |
メイリン | きゃぁ! |
アスラン | くっそーレイか! |
アスラン&メイリン | ぅぅ… |
シン | チィ! |
アスラン | シン! |
シン | 何でこんなことになるんだよ! 何であんたはっ!! |
アスラン&メイリン | うぅぅ… |
アスラン | シンやめろ!踊らされている!お前も! |
シン | ええ? |
レイ | そんな手は通じない!見苦しいですよアスラン。 |
アスラン | レイ! くっ! |
シン | 逃げんなよ!降伏しろ! 裏切るな!基地へ戻れ! |
アスラン | くっ!シン!ええい! |
シン | くっ! |
アスラン | やめろ!俺はこのまま殺されるつもりはない! |
シン | え? |
アスラン | 聞けシン!議長やレイの言うことは確かに正しく心地よく聞こえるかもしれない! |
レイ | アスラン! |
アスラン | だが彼等の言葉は、やがて世界の全てを殺す! |
シン | え? |
メイリン | え? |
ミーア | ぁ… |
アスラン | 俺はそれを…! |
シン | ぁ… |
レイ | シン聞くな! |
シン | ぁ… |
レイ | アスランは既に少し錯乱している! |
シン | ええ? |
アスラン | 巫山戯るな! |
レイ | 惑わされるなシン! |
アスラン | シン!どうしても討つというのなら、メイリンだけでも降ろさせろ!彼女は…! |
レイ | 彼女は既に貴方と同罪だ。その存在に意味はない。 |
メイリン | ええ… |
アスラン | レイ! |
シン | レイ! |
レイ | 敵なんだ彼は、彼等は! |
シン | ぅ… |
レイ | 議長を裏切り、我等を裏切り、その思いを踏みにじろうとする。それを許すのか? |
シン | く… |
レイ | お前は言ったろ?そのためならどんな敵とでも戦うと! |
シン | はっ! |
アスラン | シン! |
シン | くっ!ハァハァ……… |
シン(回想) | 議長の言葉聞いて俺凄く感動したよ。難しいって言ってたのに、議長やるんだ。諦めないんだって。 |
シン(回想) | だったら俺だってどんな敵とでも戦ってやるさ! |
デュランダル(回想) | この戦争が終わったら私は、是非ともそんな世界を創り上げたいと思っているのだよ。誰もが皆幸福に生きられる世界になれば、もう二度と戦争など起きはしないだろう。だからその日のためにも、君達にも今を頑張ってもらいたいのだ。 |
シン | くっそー!!! |
シン種割れ | |
アスラン | シン! |
メイリン | ぁぁ… |
シン(回想) | 何でこんなこと、また戦争が… |
マユ・アスカ携帯(回想) | はい、マユです。でもごめんなさい、今マユは… |
ステラ・ルーシェ(回想) | シン… |
デュランダル(回想) | よってそれを阻害せんとする者、世界の真の敵… |
シン | あんたが悪いんだ…あんたが!あんたが裏切るからぁぁっ!!うおおぉぉぉっ!! |
メイリン | ぁ… |
アスラン | シン! あぁ… |
シン | ううぅっ! |
アスラン&メイリン | くっ! |
シン | うおおぉぉぉっ!! 俺は…俺はもう絶対に! |
アスラン | シン! |
メイリン | ぅ… |
シン | でやぁぁぁっ!!! ハァハァ………ぅ… |
レイ | シン。よくやった。 |
シン | … |
レイ | 俺達の任務は終わった。 |
シン | 任…務? |
レイ | ああ。 |
シン | アスラン…メイリン… |
レイ | 裏切った彼等を、敵を討ったんだ。俺達は。 |
シン | く… |
レイ | やるべきことをやったんだ。 |
シン | う… |
レイ | さ、戻るぞ。 |
シン | うぅ… |
アイキャッチ(ラクス&キラ、晴れた空) |
ザフト兵 | 報告!グフ撃墜です。 |
議長室一同 | おお。 |
ミーア | ぁ… |
ザフト兵 | デスティニー、レジェンド帰投。 |
デュランダル | そうか、ありがとう。 |
タリア | く… |
デュランダル | クラエバー、事の次第を簡単に文章に纏めてくれ。連合側もあれこれ聞いて来始めているからな。 |
クラエバー | はい。 |
デュランダル | これまでの経緯とこちらから調査隊を出すので現場海域へは立ち入らないよう要請する旨を。 |
クラエバー | 分かりました。 |
デュランダル | それと、メイリン・ホークには姉がいたな。彼女を呼んでくれたまえ。一連の事態を話さねばならんし、また訊かねばならないこともあるだろう。それは君の方でやってくれるか? |
ザフト将官 | は。 |
デュランダル | ミネルバの彼等の部屋を調べさせてもらうことになると思うが、グラディス艦長。 |
タリア | ええどうぞ。でもその前に、少しお話しさせていただきたいですわ。 |
デュランダル | そう睨まなくても。ちゃんとそうするつもりだよ、タリア。どのみちこちらも君にも話を訊かなくてはならんし。アスランは私が復隊させフェイスとまでした者だ。それがこんなことになって。ショックなのは私も同じさ。 |
ザフト兵 | 議長。 |
デュランダル | 君にも迷惑を掛けてしまったな。本当に済まない。あとで必ず時間は作るから君も少し落ち着いてくれ。 |
タリア | … |
レイ | シン、どうした? |
シン | ぁ、いや… |
ルナマリア | メイリンが…メイリンが何で…そんなはずありません!あの子がそんな…アスランも… |
ミーア | ぅぅ… |
ルナマリア | そんなの何かの間違いです!絶対そんな!馬鹿なことを! |
シン&レイ | おはようございます。 |
デュランダル | おはよう。昨日は済まなかったね。いきなり大変な仕事を頼んで。 |
レイ | いえ。 |
デュランダル | だがよくやってくれた。ありがとう。 |
レイ | 討ったのはシンです。 |
シン | ぁ… |
デュランダル | そうか。 |
シン | ぁ… |
デュランダル | 大丈夫か? |
シン | 大丈夫…です…でも… |
デュランダル | ん? |
シン | アスランとメイリン、何でそんなこと… |
デュランダル | まだコクピットも見つからず何も分かってはいないが、こちらのラグナロクのデータには侵入された跡があったようだ。 |
シン | ラグナロク? |
デュランダル | ヘブンズベース攻撃作戦のコードネームだよ。たいそうな名前だがね。ただその中にはデスティニーとレジェンドのデータもある。 |
シン | ぇ? |
デュランダル | 侵入はそう容易ではないはずだが情報に精通している者がいればあるいは… |
レイ | メイリンですね。 |
デュランダル | ん。 |
シン | … |
デュランダル | 彼はラクスを連れ出そうともした。 |
シン | ぇ? |
デュランダル | だがラクスは拒否し、それでこちらにも事態が知れたのだが。一体彼は何故、何処へ行こうとしていたのかな。アークエンジェルとフリーダムを討てと命じたことをだいぶ怒ってはいたようだが。だがそれも… |
レイ | 後ろ盾を失い焦ったのでは? |
シン | ぁ… |
デュランダル | 分からんね。ならば尚のこと、何処へ? |
レイ | ラグナロクの情報なら欲しがるところは一つです。 |
シン | ぁ…ロゴス… |
デュランダル | 開戦の折、それだけはどうしても避けてくれと言って来てくれた彼だからこそ、私は信じて軍に戻した。それが何故?ロゴスを討って戦争を止めようというのが気に入らない? |
シン | 議長… |
レイ | 心中はお察ししますがもう思い悩まれても意味のないことです。我々がいます。議長。 |
シン | レイ… |
レイ | 困難でも究極の道を選ばれた議長を、皆支持しています。 |
デュランダル | レイ… |
シン | ぁ… |
レイ | 次の命令をお待ちしています。 |
デュランダル | ありがとう。 |
ザフト軍事ステーションアナウンス | ヘイズ隊、作業時刻は予定通り。関係各員は直ちに準備を開始せよ。降下揚陸隊A班は15時よりブリーフィングを行う。各隊長は… |
ヨウラン・ケント | これが… |
ヴィーノ | デスティニー…レジェンド… |
ヨウラン | シンとレイが乗るのか…今度は。 |
ヴィーノ | メイリンは… |
ヨウラン | よせよ、そのことは言うな。もう絶対に。 |
ヴィーノ | うぅ… |
アーサー・トライン | お疲れ様でした、艦長。 |
タリア | 艦内はどう?司令部からの発表、もうみんな聞いたわね? |
アーサー | はい、皆そのショックを受け、動揺しております。 |
タリア | そうよね…。 |
アーサー | 艦長? |
タリア | 悪いけどもう少し頼める?これではシートに座れない。 |
アーサー | は、はい! |
タリア | すぐに行くから。 |
アーサー | は! |
レイ | ん? |
シン | ぁ… |
ルナマリア | ぁ… |
シン | ………ごめん… |
ルナマリア | ぁ!……うぅ…うぅ… |
シン | ぁ… |
ジブラルタル基地アナウンス | ファーナス及び先頭ガスチン((?))出港。4番埠頭ビジャリカ、9番埠頭イラスは10分後に出港予定。第十五機動艦隊C航路クリアー。 |
ザフト将官 | 議長。 |
デュランダル | ああ分かっているよ。やらねばならん。そのために我々は集ったのだからな。 |
ジブラルタル基地アナウンスA | マジマ隊、全機発進。 |
ジブラルタル基地アナウンスB | シレオ隊、発進スタンバイ。 |
ジブラルタル基地管制 | 針路クリアー。旗艦BB01、出港よろし。 |
アーサー | 旗艦BB01ミネルバより通達。全軍我に従え。 |
デュランダル | まずは通告を送ってくれ。 |
ミネルバブリッジ一同 | ぇ? |
デュランダル | 基地内にいるロード・ジブリール氏他、ロゴスと名を挙げた方々の引き渡しを要求すると。 |
ザフト将官 | はい! |
デュランダル | 話し合えればな。それに越したことはないだろう?本当は。 |
オーブ軍港アナウンス | 進入クリアランス、3、1、1。係留チームスタンバイ。放射線管理チームはAパドックに待機せよ。 |
アマギ | よし!直ちに修理と補給作業にかからせろ!急げ! |
ミリアリア・ハウ | ジブラルタルよりヘブンズベースへ向けての通告です。 |
マリュー・ラミアス | え? |
キラ・ヤマト | う? |
ミリアリア | 我等ザフト及び地球連合軍はヘブンズベースに対し以下を要求する。一、先に公表したロゴス構成メンバーの即時引き渡し。二、全軍の武装解除、基地施設の放棄。 |
マリュー | これは… |
キラ | マリューさん、ラクスと話したい。連絡が取れますか? |
マリュー | え? |
キラ | 本当に急がないと… |
ラクス・クライン | 間に合わなくなりますわ。 |
アンドリュー・バルトフェルド | ん?いやしかしもう… |
ラクス | ヘブンズベースが落ちたら、次はおそらくオーブです。 |
マーチン・ダコスタ | ええ!? |
ラクス | そうなったらもう、誰も彼を止められなくなります。 |
シン | (戦争をなくす。今度こそ、本当に。) うぅ… |
ED(I Wanna Go To Place...) |
-+-次回予告-+- 自分は見てきた。自分は聞いてる。だから自分は知っている。 だが何を。 受け取られる言葉は様々に響き、今見えるのはただ己の敵の姿か。 戦火の向こうに見える世界は。 次回、機動戦士ガンダムSEED DESTINY、「新しき旗」 力となって突き抜けろ!デスティニー! |