機動戦士ガンダムSEED DESTINY

第47話「ミーア」

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ミーア・キャンベル(そうよ、だって私、あれはみんな私だもん。あの人じゃない。私がやったんだもん。)
ぅ…

アスラン・ザラぁ!ミーア。
ミーアぁ!アスラン?アスラン!アスラン!貴方生きて…
アスランそこで止まれ!
ミーアぁ…アスラン?
ラクス・クラインアスラン。
ミーアラクス様…
ラクスうふ。こんにちは、ミーアさん、初めまして。
ミーアぁぁ…
あたしがラクスだわ!だってそうでしょ?声も顔も同じなんだもの!あたしがラクスで何が悪いの!あっ!
アスランミーア、もうやめろ。君は…
ミーアぅ…
ラクス名が欲しいのなら差し上げます。
ミーアぇ?
ラクス姿も。でもそれでも貴方とわたくしは違う人間です。それは変わりませんわ。
ミーアぇ…
危ない!
アスランあ…
メイリン・ホークあぁ…
キラ・ヤマトあ…
くっ…
アスランくっ…
ラクスミーアさん!
サラうっ…
ラクスミーアさん!ミーアさん!
ミーアあたし…あたしの歌…命…どうか…忘れないで…
ラクスこれが貴方?
ミーアはい…
アスランミーア!
ミーアもっと…ちゃんと…お会いしたかった…みんな…
アスランミーア!
キラ早くアークエンジェルに!ムウさん!
ミーアごめんね…
ラクスミーアさん!
アスランミーア!
くっそー!!ぅぅ…

OP(Wings of Words)

マリュー・ラミアスラクスさんを庇って?
ネオ・ロアノークああ。あの子だけが気付いたんだな。飛び出して…俺の機体の手の上だったてのに…。情けないぜ。

キラプラントの子だよね?名前の他は?
アスランいや、分からない。何も聞かなかったんだ。俺も…。
ラクスぁ!これは?
キラん?
アスランん?
ラクスぁ…

ミーア『10月11日、今日やっと包帯が取れた。なんだか不思議な感じ。鏡を見たらそこには本当にラクス・クラインの顔が映ってた。』
キラこれ…
アスランミーアの…
ラクス日記ですか?
ミーア『不思議ー、不思議ー、だってこれはもうどこからどう見たってラクス・クラインだわ。大ファンのあたしが言うんだもの間違いない!その代行、身代わりなんて仕事ほんとに大変だろうけど、あたし頑張る!絶対バッチリやってみせるんだから!
声は大丈夫。元々似てるって言われてたんだし。問題は喋り方とか仕草よねぇ。ラクス様は歌われる他はほとんどメディアに出ないから普段が全く分からない。演説の時みたいにいつも凛々しいのかなぁ?うーん、そんなことないよね。ラクス様だって女の子なんだし。化粧品とかどこの使ってるんだろ。出来ればそこまでちゃんと調べておいて欲しいんだけどなぁ。』
『お仕事はほんとにある日突然やってきて、夢だったデビューとはちょっと違ったけど。でも考えてみればこれってそれより凄い事よね。あたしラクス様みたいになりたいってずっと思ってたんだし。ほんとにあたしなんかに出来んのかなって心配は心配だけど。でもここでずっと夢見てるよりいいじゃない?先の事なんて分かんないんだもの、なんでもまずはやってみなくっちゃね。よし、頑張るぞ!』
『ラクス様のお仕事はまずは歌うこと。じゃなくてプラントや世界の平和のためにいろいろな活動をすること。大変なんだろうなとは思ってたけど、やっぱり大変!昨日は遂にギルバート・デュランダル最高評議会議長!わおっ!に呼ばれて、少しお話を聞いたけど、なんだか地球にユニウスセブンが落ちちゃったとかで大変なんだって。本物のラクス様は今プラントにいらっしゃらないっていうし、もしかしてマジ私の出番なわけ!?こんなに早く!?うわ〜だったらどうしよう!』
ミーア(回想)アスラ〜ン!
ミーア『今日は今日はもうたいへ〜ん!やっぱりいよいよやんなきゃなんなかったし!アスランよ!アスラン!アスラン・ザラ!議長はそのうち会えるよって言ってたけどすご〜〜い!ほんとに会えるなんて!やっぱり真面目そうで格好良くて素敵な人〜!戦争のせいか今日はずっとブスっとしてたけど、でもお父さん裏切ってもラクス様のとこへ行っちゃった人だもんね〜。ラクス様には優しくてラブラブなんだろうなぁ。う〜!ミーアも仲良くなりた〜い!』

挿入歌(EMOTION)

ミーア『お仕事の方は本格的に始まって、ちょっと緊張、たいへ〜ん。戦争の中でお仕事するのって本当はとっても大変なのね。でもみんなほんとにラクス様のことが大好きなのね。凄く大事にしてくれる。あたし嘘だからちょっと気が引けるけど。でも、みんなを励ましたいって気持ちは嘘じゃない。頑張らなくちゃ!ラクス様の様に。ラクス様の様に。あたしの声もみんなに届きますように。早く戦争が終わるようにみんな、頑張ろうね!』
『アスランと会うのも久しぶり〜!ちょうどミネルバが入港してラッキー!でもアスランてけっこう照れ屋さんでおかしい。婚約者なんだからぁもうちょっとそれらしくとも思うんだけど。や〜っぱラクス様一筋なのね〜。でも、こんな人とマジラブラブだったらいいよね〜。』
『慰問のコンサートはどこへ行っても凄い人。地球の人もみんな待っててくれて、声かけてくれて、ほんとに嬉しい!あたし用のピンクのザク、初めて見たときはもう感動しちゃったよ〜!あたしももっと頑張らなくっちゃ!』
『でも戦争はなかなか終わらないし、結構大変よね。議長の言ってることは正しいんだからみんなちゃんとそれを聞けばいいのに。』

デュランダル(回想)皆さん、私はプラント最高評議会議長、ギルバート・デュランダルです。我等プラントと地球の方々との戦争状態が解決しておらぬ中、突然このようなメッセージをお送りすることをお許しください。ですがお願いです。どうか聞いていただきたいのです。
ミーア(回想)このたびの戦争は確かにわたくしどもコーディネイターの一部の者達が起こした、大きな惨劇から始まりました。

ミーア『連合のやってること、確かにちょっと酷すぎ。あたしだって許せないと思う。今の私の言葉はラクス・クラインの言葉。ほんとにこれで世界が変わるなら、ああ、どうか変わって!みんな!どうか私の声を聞いて!』
アスラン

アイキャッチ(ラクス&キラ、月夜)

ミーア『この頃はつくづく思う。この仕事って本当に凄い。ただ歌うのとは違う。議長とあたしの言葉で世界がどんどん動いてく。まあみんな、ラクス様が言ってるんだと思って聞いてるんだろうけど…。でも今言ってるのはあたし!原稿書いてるのはあたしじゃないけど、でもあたしも本当にそう思うから!今いるのはあたし!だからこれはあたしの言葉!でいいのよね?』
『でも何で?何でこんなことになるの?アスランておかしい。』
アスラン(回想)確かに俺は、彼の言うとおりの戦う人形になんかはなれない!
ミーア『何でなの?だって議長の言うことは正しいのよ?なのに何でこんなことするの!?』
ミーア(回想)ぁ…
アスラン(回想)早く!
ミーア(回想)あー!
ぁぁアスラン!
アスラン(回想)ん?
ミーア(回想)アスランどうして!?
アスラン(回想)議長は自分の認めた役割を果たす者にしか用はない。
ミーア(回想)え?
アスラン(回想)彼に都合にいいラクス、そしてモビルスーツパイロットとしての俺。
そうなればいづれ君だって殺される!だから一緒に!
ミーア『そんなことない!ぁ、ううん、もしかしたらそうなのかもしれないけど…。でも絶対そんなことない!』
ミーア(回想)あ、あたしは!あたしはラクスよ!<
アスラン(回想)ミーア!
ミーア(回想)違う!
アスラン(回想)ぁ?
ミーア(回想)あたしはラクス!ラクスなの!ラクスがいい!!

アスラン俺が最初に認めなきゃ良かったんだ。
こんなことは駄目だと。
キラうん…。でもやっぱり、すぐにそんな風には言えないよ。あとになんないと分かんないことも多くって…。僕もラクスも狙われたりしなきゃデュランダル議長のこと、信じてたと思うんだよね。戦わない方がいいって言った人だもん。でも、ラクスはこうだからって決められるのは困る。そうじゃないラクスは要らないとか。
アスランああ。
キラそんな世界は傲慢だよ。
アスランだろうな。

ラクス(回想)その方の姿に惑わされないでください。
シン・アスカ&ルナマリア・ホーク(回想)あ!
レイ・ザ・バレル(回想)ん?
ラクス(回想)わたくしはラクス・クラインです。
ミーア『ラクス・クラインって…ラクス・クラインってほんとは何だったんだろう。誰のことだった?あたし?議長は大丈夫って言ってた。あたしが世界を救ったって!そうだよね?あたしがやった!だからあたしは…あたしが…』
ラクスうぅ…ぅぅ…ぁ!ぅぅ…
ミーア(回想)あたし…あたしの歌…命…どうか…忘れないで…
ラクス忘れないわ。ミーアさん。
わたくしは決して。

デュランダル今私の中にも皆さんと同様の悲しみ、そして怒りが渦巻いています。何故こんなことになってしまったのか。考えても既に意味のないことと知りながら私の心もまた、それを探して彷徨います。私達はつい先年にも大きな戦争を経験しました。そしてその時にも誓ったはずでした。こんなことはもう二度と繰り返さないと。にも関わらずユニウスセブンは落ち、努力も虚しくまたも戦端が開かれ、戦火は否応なく拡大して私達はまたも同じ悲しみ、苦しみを得ることとなってしまいました。本当にこれはどういうことなのでしょうか。愚かとも言えるこの悲劇の繰り返しは。一つには先にも申し上げたとおり、間違いなくロゴスの存在所以です。敵を創り上げ、恐怖を煽り戦わせてそれを食い物としてきた者達。長い歴史の裏側に蔓延る彼等、死の商人達です。だが我々はようやくそれを滅ぼすことが出来ました。だからこそ今敢えて私は申し上げたい。
マリュー始まったわね。
ラクスはい。
デュランダル我々は今度こそ、もう一つの最大の敵と戦っていかねばならないと。
コニール・アルメタぁ?
デュランダルそして我々はそれにも打ち勝ち、解放されなければならないのです。
タリア・グラディス
デュランダル皆さんにも既にお解りのことでしょう。有史以来、人類の歴史から戦いのなくならぬわけ。常に存在する最大の敵、それはいつになっても克服できない我等自身の無知と欲望だということを。
ルナマリアぇ?
シンぁ…
コニールえ?
一般市民達ええ??
デュランダル地を離れて宇宙(そら)を駈け、その肉体の能力、様々な秘密までをも手に入れた今でも人は未だに人を解らず、自分を知らず、明日が見えないその不安。同等に、いやより多くより豊にと飽くなき欲望に限りなく伸ばされる手。それが今の私達です。争いの種、問題は全てそこにある!
シンぁぁ…
デュランダルだがそれももう終わりにする時が来ました。終わりに出来る時が。我々は最早その全てを克服する方法を得たのです。全ての答えは皆が自信の中に既に持っている!
タリアギルバート…
デュランダル(回想)今のこの世界では我等は誰もが本当の自分を知らず、その力も役割も知らず、ただ時々に翻弄されて生きている。
アスラン(回想)ぅ…
デュランダル(回想)本当に不幸だった。彼は。彼がもっと早く自分を知っていたら、君達のようにその力と役割を知り、それを活かせる場所で生きられたら。
シン議長…
デュランダルそれによって人を知り、自分を知り、明日を知る。
デュランダル(回想)誰もが皆幸福に生きられる世界になれば、もう二度と戦争など起きはしないだろう。
デュランダルこれこそが繰り返される悲劇を止める唯一の方法です。私は人類存亡を賭けた最後の防衛策としてデスティニープランの導入実行を、今ここに宣言いたします!

ED(君は僕に似ている)

-+-次回予告-+-
確かに望んだ。戦いのない世界を。平和な日々を。
ならばこれこそが今取るべき道か。
次回、「新世界へ」
その運命(さだめ)、貫け、デスティニー!!

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